空きを作ることで「動かす」ことができる

3   ものを減らして「空き」を作る
収納で最も大事なのが「空き」を作ることだという。空間はものを「納める」だけでなく「動く」ためのもの。人を招いたときは冷蔵庫の空きスペースは有用だし、戸棚に空きスペースをつくっておけば食器やカトラリーを用意しておくこともできる。それだけで慌てないですむのだ。

食器棚に空きスペースをつくっておくと、その日に使う器をあらかじめ用意できる。するとその日やることが明快になり、心に余裕ができるという。「使いきる。有元葉子の整理術」より

4    ちっちゃい指定席
届いた郵便物などとりあえず置く場所が有元家にはない。ないのでその場で封を切って、すぐに中身を確かめる。いらないものはすぐ捨てるが、とっておくものはどうするか。ファイルにきちんと納めるべき書類と、あとで目を通してから捨てるか、期間限定で保存するかに分ける。だがその判断がすぐにできないこともある。そんなときのために、有元さんは高さ4センチの「とりあえずとっておく紙もの」のための空きスペースを持つ。そのスペースは高さが4センチの「小さい」ことが大事だという。大きいと未整理の紙類の永住場所になってしまうからだ。

空き瓶をとっておくのはかご1つ分と決めている。入らない分は潔く処分。「使いきる。有元葉子の整理術」より

5   スタートは何もない状態
台所仕事の始まりはいつも、ものが出ていない状態にする。有元家では水切りかごの中に何も入っていないのはもちろん、かごもトレイもふきんで拭き上げる。
「さぁ、料理をしよう」という一日の始まりに、前の日の仕事が残っていると、新しい気持ちで取り掛かれないのはだれしも同じ。だから一日の終わりにはとにかく、全部きれいに片づけて外に何も出ていない状態にする。そしてまっさらな気持ちで翌日台所に立つという。

水切りかごは”ものの置き場”ではなく”通過点”。水気をきったらサッサと拭いて元の位置に戻す。愛用のラバーゼはトレイに傾斜がついていて水がシンクに自然に流れる。「使いきる。有元葉子の整理術」より