中国政府発表の「作られた経済指標」をいよいよ無視できなくなってきた理由

日本企業は幻想から目を覚ませ
朝香 豊 プロフィール

日本企業は幻想から目を覚ませ

このように、「3頭の馬車」のいずれにも期待ができなくなっているというのが中国経済の現実である。ところが、こうした厳しい経済環境の中で、中国共産党の習近平総書記は、2022年の経済成長率でアメリカを上回ることを求めているのである。

習総書記は、アメリカは政治的にも経済的にも衰退していて、共産党による一党独裁体制が欧米の自由民主主義に代わる優れた選択肢だということを示さなければならないと考えている。つまり、そうしたメッセージを発することが、政治的に絶対に必要だというのである。

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習総書記に逆らうことが許されない中国の国内事情を考慮すると、今後も、これまで以上に露骨に「数字を作る」ことになるのだろう。そして、そのような「数字づくり」と現実との乖離がますます広がる中で、中国政府が発表する数字に対する疑問は、さらに大きなものになるだろう。

日本企業は中国に対する幻想から目を覚まし、中国を切り離したサプライチェーンの構築、あるいは中国市場からの撤退を真剣に考えるべきではないか。早ければ早いほど、傷口は小さくなる。このことを改めて訴えたい。

 

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