「友達って むずかしい」

――ミウラさんは作品冒頭で友人に送ったメールのことでモヤモヤし、「友達って難しい」と感じます。
「友達って無理して会うものじゃない」お母さんの言葉にミウラさんも考えますが、「無理して」何かをするのが友達とはいえないのではないかとも改めて気づかせてくれます。

益田 「友達って むずかしい ものすごくうまくいってた関係でも 小さなヒビからパリンと簡単に割れてしまう」

(c)益田ミリ/マガジンハウス『ミウラさんの友達』
(c)益田ミリ/マガジンハウス『ミウラさんの友達』

ミウラさんのセリフにもあるように、友達関係とは繊細なものです。メールにしろ実際に会って話すにしろ、ちょっとした一言で取り返しがつかなくなることがある。つらいことですが失敗から学んでいくしかありません。

過去にうまくいかなくなってしまった友達がいるとします。でもだからと言って楽しかった思い出まですべて帳消しにしなくてもいい。互いに信頼し、助け合った時間が存在したのは真実で、全部を否定する必要はない。誰かと真剣に付き合った経験は、また新しい友達と出会った時の糧になっていくのだと思います。

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――『ミウラさんの友達』は「トモダチ」であるロボットが「5つだけの言葉」を話せるという設定です。初期登録されている「4つの言葉」があり、あとひとつは購入した人が加えることができる。そんな設定だと読み手は途中で気づき、「4つだけの言葉」で温かいコミュニケーションができていることに驚きます。この設定はどのように思いついたのでしょうか。

益田 ミウラさんは5つの言葉だけを話すという人間そっくりのロボットに興味を持ち、それを手に入れました。本人は気づいていないけれど、「なぜこのロボットを作ったんだろう?」と実は作った側の「人間」に心を寄せているんです。

理由も告げず離れていった友達のせいで傷ついていたミウラさん。「いつかまたこんな思いをするのが怖い」とロボットを購入したのに、やはり人は人に興味を持たずにはいられないのです。

(c)益田ミリ/マガジンハウス『ミウラさんの友達』

言葉を5つにした理由は……実は今、オンラインで英会話を習っているのですが、わたしの相づちの語彙などほんの数個。それでもそこそこ会話が成り立っているので(笑)。