ついには「うつ状態」との診断が
何も楽しいことがない。ふと気づくと何日も笑っていなかった。家にいるのもつらいので出勤はするが会社でめまいがして医務室に運ばれたこともある。

「医務室から紹介された病院に行ったら、うつ状態だと言われました。そういえば食欲もないし、同居してから夫と性的な交わりもなかった。夫にうつ状態だと言われたと告げたら、『ああ、引っ越しうつとか、あるみたいだね。無理しないほうがいいよ』って。私の心に寄り添おうとはしてくれなかった」
コロナ禍でサヤさんは通常出社、夫はリモートワークが主になった。そのため、ますます自分だけが家庭から切り離されたような気がしたという。
「義母は孫たちが自分に懐いているのをいいことに、ことあるごとに私をのけ者にするんです。先日も、今度、久しぶりにみんなで外食しようという話をしていて、義母は夫に『あんたが出社しない日がいいわね。早めの夕食にしよう』って。
それは私の帰宅が間に合わないのをわかっていて言ってるんですよね。さすがにこのときは子どもが『ママが行けるときね』とフォローしてくれましたが……」
家族が増えたら、深い孤独を抱えるようになった。サヤさんは、鬱々とした気持ちを抱えながら日々過ごしている。
サヤさんのように義父母との不和に頭を悩ませる人もいれば、実の家族との関係に苦しんでいる人もいる。後編記事〈ふたりの子がいる39歳娘に包丁まで出してつきまとう「過干渉な母」への失望〉では、過干渉な実母に悩まされてきた、もう1人の女性の例を紹介する。