金融界と財務省が誘導する「悪い円安」論のウソ 「利上げ」を急いではならない理由を教えよう

それは経済学の理論に反する

米FRBが、3月に引き続き5月にも0.5%の利上げを決め、インフレ抑制の姿勢を明確にした。

一方日本では、4月の東京都区部の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比1.9%上昇し、エネルギーと生鮮食品を除く総合は0.8%上昇となった。

本コラムで既に紹介しているように、4月の消費者物価指数は、携帯料金関係の引上げ効果がなくなったことで、前年同月比で1.5%程度の上昇になる。5月20日に公表される全国の消費者物価指数では、一時的にインフレ目標の2%超えも見られるだろう。しかし、これも本コラムで紹介しているように、相当のGDPギャップがあるため、基調としてインフレ目標超えにはなりそうにない。

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それでも、金融界からは利上げ圧力がかかるだろう。「悪い円安」というのは、GDPギャップにもかかわらず、補正予算をケチりたい財務省と、利上げを目論む金融界からの「世論誘導」でもある。これまでの本コラムでは、こうした話を繰り返して取り上げてきた。

先週の本コラムでは、円安によってGDPが増加することを国際機関のモデル分析で示した。その際、円安のメカニズムとして、「GDPギャップがある間はインフレ目標を本格的に達成する可能性は少ないことから金融緩和の継続が正しく、その結果として円安にもなり、それがGDP増加を後押しする」と書いた。

 

先週土曜日の朝日放送「正義のミカタ」で、円安の話をしてくれと依頼があったので、先週の本コラムを参考にして資料を作ってくれと依頼したが、どうもいまいちだった。本番では、筆者が口頭で説明することになった。

為替は二国間通貨の交換比率なので、二国間のお金の総量で「日本のお金総量/米国のお金の総量」と割り算すればだいたい計算できる。筆者がそう言った途端に、スタジオは凍りついた。

あー、やってしまった。「割り算」や「お金の総量」について来れなかったようだ。事前に、スタッフから「マネタリーベース」という単語を使わないでくれという縛りもあった。言葉がわからないからだろう。

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