2022.05.11

独裁者はこうして民衆を「洗脳」する…プーチンが仕掛ける支配体制の「衝撃中身」

いまだに国内の支持率が高い理由
週刊現代 プロフィール

「プーチンも、天然ガスや石炭をEUに売ることで経済を発展させ、国民に暮らしが向上したと感じさせることに成功しました。しかし今後は売り先が限定される恐れがある。そこでカダフィと同じ轍を踏まないように、中国やインドといった『抜け穴』を用意しているのです」(六辻氏)

ロシアの独立系世論調査機関によると、4月時点でウクライナ侵攻を支持する国民は74%。マクドナルドやスターバックスといった海外資本の店が閉まり、物価が急激に上がろうと、プーチン支持は依然として堅い。

モスクワにあるマクドナルドに並ぶ人たち(Photo by gettyimages)モスクワにあるマクドナルドに並ぶ人たち(Photo by gettyimages)
 

米国や欧州各国は今後、輪をかけて厳しい経済制裁に踏みこむだろう。限界を迎えた市民たちが政権打倒に動くというのが、西側が期待する青写真だ。

ただ、仮にロシア経済が危機的状況に陥っても、プーチンが失脚するとは限らない。中国の例を見てみよう。

「毛沢東(1893〜1976)は、'58年から『15年後にイギリスに追いつき追い越す』ことが目標の『大躍進政策』を実行しました。ところが成果は上がらず、最大で5500万人以上と推計される餓死者を出した。

にもかかわらず、毛沢東の支配は揺るぎませんでした。'66年から毛沢東は文化大革命をはじめ、市場経済導入を狙う政権幹部の粛清や、伝統文化の破壊に手を染めました」(六辻氏)

粛清を担ったのは『毛主席語録』に影響された労働者や貧農出身の「紅衛兵」だった。彼らは若者がジーンズを穿いているだけで「西洋的」と難癖をつけ服を切り刻んだ。

メディアを統制し、「暮らしより思想や誇りを守るほうが大事」と国民を洗脳する。これが、経済危機をも乗り越える独裁政権の最終形態だ。

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