大和と雅也の心理戦を楽しんで
――演じ終わったいま、改めて、大和はどういう人だと思いますか?
阿部:大和は今まで自分が演じてきた役の中で一番悪い人です。24人も人を殺すような連続殺人犯はやったことはないですし、こういう役はこの先ないかもしれません。そういう意味ではあまり出会わないような役を頂けたと思っています。
一方で、昼間のパン屋さんの大和は、“完全に”いい人。「あんなことやる人だとは思ってなかった」と言われる人はきっとそういう方なんでしょうね。
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――そんな大和の二面性に翻弄されながらも、彼のペースに流されそうで流されないのが岡田健史さん演じる雅也というキャラクターも面白いですね。
阿部:雅也には、自分にコンプレックスがあったにもかかわらず、大和に可愛がってもらった、という過去がある。そのウィークポイントを利用して大和は雅也を心理的に支配しようとします。
――映画を観ていて、大和と雅也の引っ張り合いに思わずのめり込んでしまいました。
阿部:この映画は、将棋の先の何手先まで読めばいいのかというぐらい心理戦です。犯人はどの人なのかという推理も含めて、その点を楽しんでもらえたらいいですね。
(C) 2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
配給:クロックワークス
配給:クロックワークス