2022.05.16
# ライフ

「子ども1人につき1500万円支給」がじつは合理的なワケ…イーロン・マスクも警鐘を鳴らす「少子化問題」解決策

子どもの数が41年連続減少し、少子化に歯止めがかからないわが国。今月7日には、テスラCEOのイーロン・マスク氏が「(出生率が死亡率を超えなければ)日本は消滅する」といったツイートをし、警鐘を鳴らしたほどだ。

この少子化問題に有効な対策はあるのだろうか? 著書『お金のむこうに人がいる』がある元ゴールドマン・サックス金利トレーダーの田内学氏による、大胆な提言とは。

西暦2920年、日本の総人口は1000人に

先日の「こどもの日」にちなんで発表された子どもの数(令和4年4月1日時点の15歳未満の人口推計)は1465万人と41年連続で減少していました。41年前に比べてほぼ半分の水準です。

長い間、少子化社会だと言われて続けていますが、人口減少社会を実感していない私たちの危機感はまだ薄いのではないでしょうか。

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「日本の人口は何人?」と聞かれたら、誰もが1億2000万人という数字を思い浮かべると思います。事実、1984年以降、日本の人口はずっと1億2000万人台をキープしていました。少子化が進んで若年人口が減っていますが、医療の発達による高齢者の増加が人口減を補っていたからです。

もちろん、健全な状態ではありません。全身を支える筋肉が削げ落ちている一方で、脂肪が増えることで体重を維持していたようなものです。体重は減っていませんが、確実に体力は落ちています。もうしばらくすると、その体重をキープすることすら出来なくなります。

2030年前後には人口は1億2000万人を割り込み、人口減少社会の到来が明確になります。2100年には、人口は5000万人程度になるとも言われています。

簡単なシミュレーションをしてみましょう。直近の合計特殊出生率(一人の女性が一生のうちに出産する子どもの数の平均)は1.36人で、2020年生まれの新生児は84万人でした。

この出生率が続くと仮定した場合、男女一人ずつ計2人から1.36人が生まれるわけですから、世代が一つ進むごとに生まれる子どもの人数は0.68倍に減ります。2020年生まれの彼らが親になる頃には、年間の新生児の数はその0.68倍の57万人になっています。その次の世代は、39万人。世代が進むとどんどん数は減っていき、30世代も経つとたったの8人になってしまいます(手元に計算機がある人は、84万に×0.68という演算を30回繰り返して、減少のスピードを実感してみてください)。

1世代を30年とすると、30世代後は西暦2920年。このときの日本の総人口は1000人程度です。1000万人の誤植ではありません。たったの1000人。学校の体育館に収まる人数です。

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