2022.05.19
# 学校・教育

人との「距離感」がわからず悩む30歳女性、原因は親の「子育て」にあったのかもしれない

日常生活に疲れを感じる

私の事務所では、親からの虐待も含むマルトリートメント(不適切な養育)を受けて育った女性からのご相談やカウンセリングが多く寄せられます。それらのご相談の中で、時折「親から冷淡な態度を取り続けられた」という訴えをしばしばお聞きします。

このようなケースは、肉体的暴力や暴言などがないためとても分かりにくく、ご本人ですら「マルトリートメントを受けてきた」と気付かぬままに、心に傷を抱えがちな印象です。

今回はこの「親から冷淡な態度を取られ続けた」女性のケースを、いつものようにプライバシーに配慮し再構成してお送りします。

〔PHOTO〕iStock
 

若菜さん(30歳・仮名)との出会いは数年前、「日常生活にすごく疲れを感じていて、とにかく利害関係のない人に話を聞いてもらいたい」というのが最初に事務所を訪れた動機でした。実際いろいろとストレスが溜まっていたようで、初回はアセスメント(カウンセリングの前段階で行う様々な査定)もそこそこにひたすら話を聞き続けたことを覚えています。

ほどなくして2回目の面談に来てくださった若菜さんはこうおっしゃいました。

「前回のカウンセリングでたくさん話していたら、自分でも思いがけないことまでしゃべっていて、驚くと同時にすごくスッキリしました。やっぱり言葉にするって大事ですね」

そこから継続的なカウンセリングを希望されたので、いつものようにアセスメントをしつつ、若菜さんの成育歴を中心にこれまでを振り返って語っていただきました。

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