青森・大間のマグロ漁師たちが「違法行為」に手を染めた本当の理由

「一攫千金」の時代が終わって…

青森県大間産の太平洋クロマグロ漁で不正が横行している。昨年11月に発覚した大間産クロマグロをめぐる不都合な真実は、水産業界など関係者を震撼させた。

一時期絶滅が危惧されたクロマグロの年間漁獲可能量は、各都道府県ごとなど漁業形態別に厳しく管理されている。それにもかかわらず、マグロの聖地である大間で漁獲した数量を報告しない違法行為が平然と行われていた。規範意識の低さが招いた行為で、長年築き上げたブランドは崩壊寸前のところまで来ている。

マグロを隠していた漁師たち

全国の中でも指折りの産地である大間で揚がったクロマグロは、東京など大都市圏を中心に流通する超高級品だ。銀座に構える老舗寿司店では、一貫数千円と高値で提供されている。

「マグロが餌を食った!」。引っ掛かった巨大マグロを一気に糸で引っ張り上げるベテラン漁師たち。踏ん張りきれなければ、波の荒い海に放り出されかねない。漁船に近づいた巨体に電気ショッカーを掛けて気絶させた上で、銛で急所を狙って仕留める。まさに食うか食われるかの戦いはテレビのドキュメンタリー番組などでも取り上げられ、大間の知名度は全国でも高い。

 

なかなか釣れない男たちの苦悩や、家族との絆にもスポットを当てた場面は視聴者の涙を誘う。多くの漁師たちは自己研鑽に励んでいるが、一方で一部の漁師による不正が昨年11月に発覚した。

関係者によると、大間の漁師らは、2021年度の漁期がスタートした21年4月〜9月に、大型クロマグロ計14.3トンを、青森県に届け出ずに隠していた。

関連記事