脱炭素で投資不足が表面化
米国を始めとする世界の精製企業は「脱炭素」の動きが加速する中、投資不足にあえいでいる。
油田開発などの上流部門の投資不足は認識されるようになってきたが、ガソリンなどの石油製品を生産する下流部門でも投資不足による悪影響が顕在化している。
精製能力不足のせいでドライブシーズンを前にガソリン在庫の管理がうまくいっていないことから、ガソリン価格の上昇に歯止めが効かなくなっており、「今年の夏のガソリン価格は1ガロン=6.2ドルに達する」との観測が出ているほどだ。

各種世論調査によれば、米国民にとっての最大の課題は、新型コロナや移民問題ではなく、記録的なインフレだ。11月の米中間選挙まで半年を切った今、米国の議員たちはガソリン価格高騰に懸念を深めている。
OPECとロシアなどの大産油国が構成するOPECプラスは5日、6月の増産目標を日量43.2万バレル引き上げることで合意し、これまでの小幅な増産路線を維持した。
「OPECはOPECプラスの盟友であるロシアとの関係を重視している」との論調が強まっているが、政治指導者の意向だけではなく、世論の動向も大きく影響しているようだ。