驚異の忍耐力…納豆菌が上空3000mの大気の中でも「死なずに生き残れる」ワケ

黄砂にのってやってくる

胃酸ニモマケズ、真空ニモマケズ、熱ニモ極寒ニモマケヌ—。宮沢賢治もビックリの我慢強さを誇る「菌」がいる。しかも、私たちのすぐそばに……。

その名も、バチルス・サブチリス。いわゆる「納豆菌」と呼ばれているこの菌は、自然界でも抜群の生存力を誇る。

その証拠に、納豆菌は高度数千mの大気中を生きたまま旅できることがわかっている。風に巻き上げられて大気を移動する微生物は「バイオエアロゾル」と呼ばれ、病原菌やウイルスが空中を漂っている。といっても、ほとんどの微生物は高度が上がるにつれ、紫外線や乾燥、マイナス数十度の寒さで破壊される。

ところが、納豆菌は違う。普段ソーセージのような形をしている納豆菌だが、周辺環境が悪化すると球状に変形して「芽胞」を形成し、身を守ることができるのだ。

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しかも、納豆菌は上空で黄砂などの鉱物粒子に付着している。黄砂は研究者から”微生物の空飛ぶ箱船”と呼ばれ、乾燥や気温変化から微生物を守る役割を果たす。

特殊な性質と黄砂によって、遥か上空を移動してくる納豆菌。その存在にいち早く注目したのは、近畿大学の牧輝弥教授だった。能登半島上空3000mで採取した菌を煮豆と一緒に40℃で保温したところ、糸が細くて粘りは若干弱いが、立派な納豆が完成した。

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