2022.05.26
# ビジネス

バンド活動優先で「課長昇進」を拒否した32歳営業主任、会社は「懲戒処分」にできるのか?

木村 政美 プロフィール

トラブルを防ぐために会社ができること

◎社員に昇進を拒否される前に会社が考えること

社員に昇進を拒否された理由が正当な理由ではなく、前述の3要素を判断材料にした上で懲戒処分が可能であったにしても、実際に処分を下すかどうかは慎重に検討する必要がある。

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そもそも企業が昇進させたい社員はその役職に見合った能力や実績がある優秀な社員であり、懲戒処分にしたことによって労働意欲をなくしたり、処分をほのめかした場合、処分が決まる前に自己都合で退職されてしまうケースもある。

特に中小企業は深刻な人材不足に悩んでいる場合が多く、新たな人材の確保も難しい状況だ。優秀な社員には長く勤めてもらいたいのが本音であろう。

しかし社員の要望に沿うばかりでは企業の人事は成り立たない。社員が昇進を受け入れ、能力を発揮することができるような業務や権限を与えること、諸事情があっても業務が遂行できるような(例えば業務を分担するための代理を置くなど)職場環境を整えること、また役職相応の処遇を与えることが大切である。

現在の管理職全員の業務内容・権限・処遇などについて把握し、企業が考える役職としてふさわしい内容になっているか、働きやすい環境になっているかを確認してみることである。

*     *     *

昇進を拒否したことでC坂本部長やB村課長と気まずくなったA宮さんは、やがて本気で転職を考えるようになった。そしてD崎リーダーにも昇進を断り会社に居づらいので転職先を探すと話した。

5月下旬の週末、A宮さんのスマホにD崎リーダーから連絡があった。

「あのさ、ウチの会社で新規営業所を開くことになって、今の営業課長が新規営業所の部長に栄転することになったのよ。それで後任者を探しているんだけど、どう?」

「俺、課長未経験者だけど大丈夫かな?」

「A宮だったらこれまでの実績で十分務まるよ。部下は全員20代の若手社員だから課長と言っても皆のまとめ役でOKだよ」

翌日の夜、D崎リーダーの口利きで乙社の面接を受けたA宮さんはその場で採用になり、7月から働くことになった。都内勤務なのでバンドも継続できる上、年収で今よりも150万円高い金額を提示された。

次の日、退職届を懐に忍ばせたA宮さんは鼻歌交じりで出勤し、B村課長の元へ向かった。

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