2022.05.25
# 日本経済 # デフレ

インフレ率日本2%、米国8%——日本の物価はまだまだ「安い」!

それなのに、私たちの生活が苦しい理由
急激な円安と物価上昇は、日本にどのような影響をもたらすか? 『日本病——なぜ給料と物価は安いままなのか』を上梓したばかりの永濱利廣氏(第一生命経済研究所首席エコノミスト)に、これからの日本経済を解説してもらった。

世界はもっと値上がりしている

ロシアによるウクライナ侵攻に急激な円安が重なり、食品、電気代、電車賃……生活に必要なものが軒並み値上がりしている。

3ヵ月前までの3ヵ月間の燃料輸入価格がベースとなる電気料金や、10月に再び価格が改定される小麦などは、今後もさらに物価上昇が続きそうだ。これにより、日本では年間5~6万円(月4000~5000円)の負担増になると予測される。

連日、こうした値上げのニュースにさらされると、日本の物価は高いと勘違いしてしまいそうになるが、実は、日本の物価上昇率は、世界的に見たら大したことはない

2022年4月にIMFが発表したG7諸国の2022年インフレ率(消費者物価上昇率)見通しを見ると、フランス4.1%、イタリア5.3%、ドイツ5.5%、カナダ5.6%、イギリス7.4%、アメリカにいたっては7.7%も上がると予想されている。対する日本はわずか1%である。

2022年4月の前年同月比に限って言えば、アメリカが8.3%上昇しているのに対し、日本は2.1%の上昇である。やはり、日本の物価上昇率は、世界的に見るとまだまだ低いことが分かる。

それなのに、なぜ日本では、物価上昇がこんなに辛く感じられるのか?

理由は明快である。賃金が上がっていないからだ。

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