2022.05.29
# デフレ # 日本経済 

政府債務残高は、毎年「過去最大」が普通!

長期債務1000兆円超えでも問題なし
永濱 利廣 プロフィール

過去最大は当たり前。政府債務は増えてよい

そもそも、インフレ率や雇用を安定させるために必要であれば、「政府債務は減らさなくてもよい」というのが世界の常識である。すると政府債務は増えるのが普通で、過去最大になるのは何らおかしいことではない。政府債務は、個人の借金と同じように考えるべきものではないのだ。

「返すべき借金」と考えれば、国民は当然、こんなに国の借金があったら大変だ、と思うし、いずれ増税になるに違いないからもっと節約しなければ、というマインドが生まれる。実際、今回の新聞報道でも「税収で返済しなければいけない国の長期債務残高」(日本経済新聞 5月11日付)と、あたかも増税を当然とするような表現が見られたが、これではみんなお金を使わなくなり、景気が悪くなるという悪循環を生むだけである。

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しかし、少し考えてみれば、例えば「トヨタ自動車の債務〇〇円超え」などというニュースは見たことがないはずだ。企業規模が大きくなるにつれて債務残高も増えていくのが当然で、債務残高の数字だけを取り出して騒いでも意味がないからだ。

ある企業の財務状況を論じるならば、企業会計全体を見なければならない。それが政府に限って債務だけを報道をするのは、国民の不安を煽る以外のなにものでもない。ましてや、政府債務残高を人口で割って「国民一人当たりの借金 」とするなど愚の骨頂と言える。