値上げできる企業でなければ生き残れない
バフェットは、「身近な企業への投資」が得意だが、その中でもコカ・コーラやジレットなど強いブランド力を持ち「値上げできる商品」を持つ企業を選ぶ。
インフレ期において、少なくともコスト上昇分を値上げによって吸収できない企業が厳しい状況に置かれるのは自明だ。特に商品の独自性を持たずに「安いことだけがセールスポイント」の商品が淘汰される。バフェットがよく使う「コモディティ」という言葉がそれを象徴している。
もちろん、物価高騰に対する生活防衛のため、消費者は安い商品を求める。しかし、調達・生産コストを反映する値上げが出来なければ、企業の利益が減少するどころか下手をすれば逆ザヤになってしまう。
また、「生活『非』必需品」も値上げが難しい。インフレにおいては、資産家の「実質資産」も目減りするから消費行動は慎重になる。したっがて、ぜいたく品の値上げは意外に難しい。
それに対して、必需品はどうしても購入しなければならないが、値上げに敏感な消費者とのバトルを覚悟しなければならない。だが、インフレによる厳しい生活状況の中でも、「大衆ブランド」には人々が惜しみなくお金を払うというのがバフェットの考えだ。