川上ビジネスがポイント
2021年10月19日公開「バフェットがまとめ買いの5大総合商社、買い増し候補の勝者と敗者」を執筆して以来7ヵ月ほどたったが、それ以降ウクライナ侵攻やそれに伴う食料・エネルギー価格の高騰が起こった。
一部の総合商社のロシア関連資産などの問題はあるが、バフェットが今後これらの総合商社のどれかの買い増しを行う可能性は充分ある。メーカーは、小売店よりも上流に位置するが、さらにそのメーカーの上流に位置し供給側に近いのが総合商社である。
5大総合商社以外では、豊田通商に注目している。エネルギー・資源では、5大総合商社に比べて弱いが、電気自動車(電池)などに必要不可欠なリチウム資源に関しては、「アルゼンチン・オラロス塩湖開発プロジェクト」を強力に推進している。
また、豊田通商とアフリカとのつながりは1世紀にも及ぶ(豊田通商HPより)が、2012年には当時のフランス最大のアフリカ専門商社であったCFAOに資本参加を実施(2016年に完全子会社化)している。アフリカは、アジアの新興国でさえ人口が減少に向かいつつある中で、人口が増加中の「最後のフロンティア」である。
トヨタ自動車や豊田自動織機が主要株主であるという5大総合商社とは大きく異なった個性を持つ企業であるが、2020年6月16日公開「やはり独り勝ち、世界の自動車メーカーはトヨタにひれ伏すのか?」で述べた、日本を代表するメーカーとの強いつながりは大いに心強い。
ただ、バフェットが「トヨタ自動車」を研究しているのかどうか不明である。また、5大総合商社を「まとめ買い」したことからも明らかなように、総合商社の個々の事情には疎いと思われるバフェットが豊田通商の魅力に気付くかどうかは疑問である。