日本のメーカーの魅力
昨年5月9日公開「日本の『お家芸』製造業、じつはここへきて『圧倒的な世界1位』になっていた…!」で述べたように、日本には有望なメーカーがごろごろしている。
だが、米国市場を中心に投資しているバフェットのメーカーへの投資はそれほど多くはない。米国の産業における製造業の地位が長年にわたって低下してきたことがその大きな原因であろう。
そもそも、現在では損害保険会社・投資会社として有名なバークシャー・ハサウェイであるが、元々は繊維会社であった。だが、バークシャーの(繊維事業の)経営者やバフェットの努力にもかかわらず、長年の苦闘の末、繊維事業からは撤退している。この繊維会社としてのバークシャーへの投資を「自分史上最大の失敗の一つ」にあげているのがバフェットなのだ。
もちろん、米国とは事情が違うから、日本のメーカーは有望なのだが、バフェットが持つメーカーへの知識が他分野よりも弱い可能性がある。また、元々外国企業の情報は入手しにくい。
だが、前記「日本の『お家芸』製造業、じつはここへきて『圧倒的な世界1位』になっていた…!」2ページ目「韓国への輸出管理規制の衝撃」で有名になったステラケミファのフッ化水素の純度は、12N(99.9999999999%)という驚異的なものだ。他国(他社)で製造できない高品質製品の値上げも、ユーザー側が受け入れざるを得ない。