グラハム子さんは育児漫画やエッセイ漫画を様々な媒体で連載し、Instagramでは10.5万人フォロワーを持つ2児の母。過干渉な義母やモラハラ夫など、周りにいる困った人をコミカルに風刺した漫画『美淑女戦隊オバサンジャー』に続き、最新刊『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』(KADOKAWA)が発売された。

ユーモアあふれる前作とは異なり、実の母親に整形を強要され、「親にとっての理想の子」になるべく育てられた主人公・エリカが、母親の呪縛から逃れるまでを綴ったシリアスな作品は、グラハム子さんの実体験に基づいて描かれているというFRaUwebでは、親との確執や、感じてきていたことなど、グラハム子さんの過去を振り返っていただく描き下ろしエッセイを、漫画無料試し読みとともに短期連載でお届けする。

理解できなかった友人の決断

初めて自分はおかしい?と感じたのは、高校生の時でした。漫画『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』(KADOKAWA)にも描いたエピソードと同じように、友人と進路について話していた時のことです。

当時通っていた高校は大学進学が当たり前という感じだったのですが、そんな環境の中、芸能関係の専門学校に行くという友人がいました。当時の私にはその選択が理解できませんでした。

『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』(KADOKAWA)第5話より。漫画/グラハム子
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だってこの高校にいるということは、それなりに勉強ができるはずだし、受験をしたらそこそこの大学に行けるはずなんです。それなのになぜ、あえて専門に行くのか? そして何故それを親は止めないのか? 

親だったら子どもの幸せを考えているはず。子の幸せを考えるなら、一般的に成功する可能性が低いと言われている、“逃げ”のようにも見える選択など許すはずがないだろう。この子の親は子を見放しているに違いない。子だって、もう高校生なんだから夢を見過ぎだ。世の中そんな上手く行くほど甘いもんじゃない。自分の実力ぐらい自分でわからないなんてバカだ。バカな親子だ。

と、思っていました。

そしてこれらは全て、私が幼い頃から母に言われてきたことでした。この時点ではもう、自分の意見や感情なんて消えうせ、母の価値観にすっかり侵食されていました。