2022.05.26
# 中国

あれれ、習近平腰砕け、「台湾有事に武力関与」のバイデン発言に意外な低姿勢

しょうがないので日本に矛先か

この期に及んで「中米人民の友好」

この答えは実は、習近平国家主席自身が出してくれた。

5月25日、すなわち「軍事関与」のバイデン発言からの2日後、人民日報は1面トップで、習主席がアメリカ友人に宛てた1通の手紙を紹介する記事を掲載した。この友人とは、習主席が1985年、アメリカのアイオワ州でホームステイした家庭の女主人のサラ・ランディ(Sarah Randy)さんである。人民日報の記事によると、ランディさんが最近、習主席に送った手紙への返信だという。

そして習主席は手紙の中でこう述べたという。

「中米両国人民は偉大なる人民だ。人民の友好は貴重な財産であって、両国関係発展の重要なる礎である。中国人民は引き続き、アメリカ人民と共に友好交流と協力を進め、両国人民の福祉を増進していくことを願う」。

人民日報の紙面で習主席から発せられたこのよう言葉に目を通した時、筆者の私は狐に包まれる思いとなった。中国の歴代指導者の中で誰よりも「反米」であるはずの習主席は「中米人民の友好」云々を語るのは実に新鮮にして意外であるが、さらに驚いたのは、この手紙の内容が人民日報で発表されたことのタイミングである。

そう、バイデン大統領が日本の東京で中国包囲網の構築に没頭していたその直後に、そしてバイデン大統領の口から「台湾防衛の軍事関与」という、中国にとって我慢の限界を超えたはずの重大発言が飛び出たその直後に、習近平政権は強く反発することもせず、むしろ逆に、習主席は自ら、ランディさんへの返信の手紙を利用して「アメリカ人民」に対する友好の意味を示し、間接的にはアメリカ政府に対する関係改善のラブコールを送っているのである。

 

これは一体どういうことなのか。捉えようによってそれは、世界最強の軍事大国・アメリカの大統領が中国包囲網を固めた上で「台湾防備に軍事的に関与するぞ」と宣言したことに対し、習近平政権と習主席自身は衝撃のあまりにもの大きさに呆然とした後に腰が砕けて、姿勢を低くしてアメリカとの関係改善を模索する方向へ転換したのではないのかと受け取ることが出来る。

こう考えれば、共産党宣伝部管轄下の人民日報や環球時報が、できるだけバイデン発言に触れないようにしていることの意味も、中国政府がこの重大発言に対して強い反応を示さなかったことの理由も分かるであろう。

最高指導者の習主席は腰が砕けた以上、普段では対外姿勢の強硬さと激しさで知られる環球時報や、喧嘩腰の「戦狼外交」で有名な中国外交部は一斉に力が抜けて萎んでしまうのである。

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