2022.06.01

ワーママが陥りがちな「落とし穴」も…子育て本100冊を1冊に圧縮したプロに訊く、子育てにおける「5つのルール」

教育に関する情報は世の中にあまりにも溢れている。実際の子育てでは軸を作り、やることを絞ることこそが大変だ。

「AERA with Kids」元編集長として数多の識者と保護者に取材してきた経験を元に『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』(ワニブックス)を執筆した江口祐子氏に、子育てで押さえておきたい「これだけは」を決めるコツについて訊いた。

[PHOTO]iStock
 

大人になってから幸せになる力を、子どものころに育てる

――江口さんは今回の著書の中で、さまざまな育児・教育の本で何度も出会うものとして1.「自分で選ばせる」ことで「自己決定力」が育つ 2.失敗OKにして「自己肯定感」が付いて挑戦できる人になる 3.子どもをしっかり観察することで、その子だけの個性や良さが見つかる 4.遊びや部活を大切にすることで、将来に役立つ非認知能力がつく 5.友だち家族と旅行に行くことで、人と関わる力がつく――の5つに集約しています。この5つが子育てにおける「まずこれは」というものですか。

江口 そうですね。親が関わる子育てが終わってからの子の人生も長いわけですよね。この「自己決定力」「自己肯定感」「非認知能力」などは、大人になってから幸せになる力に関わってきます。自分の周囲を見回して「幸せな人ってどういう人だろう」と考えたときに、肩書きがあるとか収入がいくらかといったことよりも、何度失敗しても立ち直れることや人との関わり方がうまいこと、たくさんの選択肢のなかで立ち止まらずどんどん選んで一歩踏み出せる人だな、と。そういう力のベースを子どものころに付けたらいいのではと思って選びました。

――ほかにポイントとして「新しい教育観」「身に付けたい親の習慣」「勉強・受験の勘違い」「注目キーワード」に集約していますが、これはこのあたりが多くの保護者が気にする部分だからでしょうか。

江口 「AERA with Kids」の編集経験を通じて重要だなと感じていたものが多いですね。いくら「学力より大事なことがある」と言っても、日々の勉強はそれはそれで気になりますから勉強の仕方についても触れました。親の習慣に関しては、親自身のメンタルヘルスや夫婦関係の良好さも子育てに影響することがわかってきたことを踏まえて入れています。

――ご自身の子育てにも影響を与えた「これ!」という本を一冊だけ挙げると?

江口 児童精神科医の佐々木正美先生の『子どもへのまなざし』ですね。私は自分の子どもが小さいころに手に取りましたが、今読んでもかつてとは違う箇所で感動を覚えます。基本的には幼児期のことについて書いてありますが、子どもが大きくなってからで響く提言が書かれています。

たとえば「子どもは人との関わりのなかで成長していく」と先生はおっしゃっているんですね。自分の子どもばかり見るのではなく、一緒に育ち合ってくれる子どもたちを視野に入れなければならない。例えば、旅行に行くなら友だち家族や近所の子に声をかけましょう、と。そうすると子どもは親子関係以外のいろいろな関係から育っていくんですね。私もたとえば近所の方と食事会を今もやっていますが、娘もそこで自分の親以外のパパママ――職業も価値観も違う人たち――の姿をダイレクトに見られて学びになるだろうなと感じています。

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