1990年代に『ボキャブラ天国』などで活躍したお笑いコンビ・松本ハウス。ボケ担当のハウス加賀谷さんは、精神疾患のひとつである統合失調症であることを公表している。症状悪化によって1999年に一度は活動休止するも、2009年に復活。相方の松本キックさんと一緒にコンビ活動を行い、現在は講演活動なども行なっている。症状の悪化や改善、心が追いつめられた経験などを経て、今はどのように統合失調症と向き合っているのか。時事YouTuberのたかまつななさんが話を聞いた。
(取材:たかまつなな、監修:精神科医・森隆徳、編集協力:塚田智恵美)

※本記事はたかまつななさんのYouTubeチャンネル「たかまつななチャンネル」で配信された動画の内容を記事化したものです。
後ろの席から聞こえた「くさい」の声
——今日は加賀谷さんの統合失調症のご経験について教えていただきたいです。
加賀谷:分かりました。答えられるものはなんでも答えます。
松本:まず、今はどういう状態なのかを説明してよ。
加賀谷:大体4週間に1度、精神科病院で診察を受けるんですね。そこで処方していただいたお薬を服用しています。
——そもそも統合失調症はどんな病気なのでしょうか。
加賀谷:約100人に1人の割合でかかると言われる、精神疾患です。症状は大きく分けると、「陽性症状」と「陰性症状」があります。幻聴や幻視、過度な思い込み、強い妄想が生じるといった陽性症状が現れたのち、話にまとまりがなくなったり、やる気が低下したりといった陰性症状が現れるというように、病気の経過によって特徴的な症状があるようです。
松本:ほかに、認知機能障害もあるよね。物事を覚えられないとか。
加賀谷:そう。それは僕も困りました。
——初めて症状が出たのは、いつ頃でしたか。
加賀谷:中学2年生、13歳のときですね。僕は当時、教室の一番前の席に座っていました。ある日、先生が教室に入ってきて、僕の真後ろにいる女子生徒に注意したんです。