中国経済バブル崩壊秒読みか…「ゼロコロナ政策の影響」は実はここまで深刻だった

世界にとっての「もう一つの危機」に

中国経済の実情

「中国は極端なゼロコロナ政策などの影響で、経済を急速に悪化させている」――こうした話を、最近よく耳にするようになった。

では具体的に、どの程度悪化してきているのか。5月後半に国家統計局が発表したデータを中心に、見ていきたい。以下は、特に断り書きのない限り、4月の前年同月比の統計である。

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まずは、産業部門の主要統計を示すと、以下の通りだ。

【産業部門】
・工業企業の利益 −8.5%
・製造業の利益 −22.4%
・エネルギー産業の利益 −26.8%
・規模以上の工業増加値 −2.9%(前月比−7.08%)
・自動車製造業増加値 −31.8%
・サービス業生産指数 −6.1%
・飲食業収入 −22.7%
・発電量 −4.3%

産業部門では、企業が急速に利益を悪化させていることが分かる。特に自動車産業の落ち込みが激しい。ちなみに4月の乗用車の卸売販売台数は、前年同月比で−43.0%まで落ち込んだ(中国乗用車市場情報連席会の発表)。

また、飲食業の収入も2割以上落ち込んでいる。いくら宅配が盛んだからとはいえ、やはり外出制限によって、レストラン産業などは大打撃を被っているのだ。

 

次に、消費部門を見ていく。

【消費部門】
・社会消費品小売総額 −11.1%
・同都市部 −11.3%
・同農村部 −9.8%

消費の落ち込みも、前年同期比1割以上というのは、尋常でない。都市部で落ち込んでいるのは、明らかにゼロコロナ政策の影響である。

続いて、不動産部門を見ていく。

【不動産部門】
・70都市中、47都市で新築住宅価格が3月より下降(先月比9都市増)、
・70都市中、39都市で新築住宅価格が前年同月比で下降(先月比10都市増)
・70都市中、50都市で中古住宅価格が3月より下降(前月比5都市増)
・70都市中、56都市で中古住宅価格が前値同月比で下降(前月比9都市増)
・1月~4月の不動産新規開発面積 −26.3%(うち住宅新規開発面積 −28.4%)
・1月~4月の商品家屋販売面積 −20.9%(うち住宅販売面積 −25.4%)
・1月~4月の商品家屋販売額 −29.5%(うち住宅販売額 −32.2%)

このように、長く中国経済発展の牽引役だった不動産も、にっちもさっちもいかない状況だ。

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まず、新築住宅価格の値崩れが起こっている。上昇が当たり前だった「5大都市」でも、首都・北京だけは前月比で100.7%と面目を保っているものの、他の都市は、天津99.9%、上海100.0%、広州100.1%、深圳99.9%。来月にはこの4都市で、100を割り込む可能性がある。

 

また、新規住宅以上に値崩れを起こしているのが、中古住宅市場だ。中古住宅価格が下がるということは、国民の保有する資産が目減りすることであり、さらなる景気悪化を招く要因となる。

一方、不動産業界に目を移すと、昨秋、中国の不動産業界2位だった恒大グループの破綻危機によって、中国の不動産危機が叫ばれたが、4月の統計を見ると、もっと根が深いことが分かる。

5月12日、不動産業界3位の融創が、来年10月満期の社債金利2947万ドルを30日の猶予期間に支払えなかったと発表。同じく5月27日には、国有企業の緑地が、6月満期の4億8800万ドル分のドル建て債返済を1年延期すると発表した。

不動産業界は、融創も含めて、ロックダウン状態に置かれた上海に本社を置く会社が多く、今後も大手デベロッパーの「地雷」が爆発するリスクを抱えている。

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