暴走プーチンの核ミサイルが「東京・新宿上空」で炸裂したら…その「地獄」を完全シミュレーションする

人類史上、3度目の災禍がついに起こってしまうのか。世界の命運は暴走する独裁者たちに握られ、日本人の命もその例外ではない。恐ろしくても現実を直視しなければ、生き延びることはできない。

核兵器は再び使われるのか

1945年10月。東京帝国大学理学部教授・渡邊武男は、核爆弾投下直後の広島市中心部に入り、目をみはった。散乱する煉瓦や屋根瓦の表面に細かな泡が見える。鉱物が沸騰した痕跡だ。数千℃を超える熱線を浴びなければ、このような現象は起こらない。

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それから77年、核の脅威が再び人類に鎌首をもたげている。他ならぬロシアによってである。

これほど「核兵器が使われたら」という議論が盛んになったのは、冷戦終結後初めてのことだ。しかし一方で、もし頭上で核が炸裂したときに何が起きるか、生き残る術はあるのか、正確に知る人は少ない。核の脅威が現実のものとなった以上、その知識は誰もが持っておく必要があるだろう。

 

本誌は今回、物理学・工学分野で世界トップクラスの名門校、米スティーブンス工科大学で核兵器開発史を研究するアレックス・ウェラースタイン教授の協力を得た。核攻撃シミュレーションプログラム「NUKEMAP」の開発者だ。

「このプログラムを使うと、世界各地の任意の場所に任意の破壊力の核爆弾を落とすシミュレーションができます。最大の特徴は、破壊範囲だけでなく死傷者数も計算できること。人口のリアルタイム推定値を利用し、爆風の圧力や温度などを求める特殊な方程式を当てはめて割り出しています」

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