暴走プーチンの核ミサイルが「東京・新宿上空」で炸裂したら…その「地獄」を完全シミュレーションする

週刊現代 プロフィール

「ホープレス・ゾーン」

「爆心付近のこの領域を、私は『ホープレス・ゾーン』と呼んでいます。運悪くここにいた場合、気の毒ですが、何もできることはありません」(前出・ウェラースタイン氏)

都庁周辺には深さ100m・直径400mのクレーターができるが、それを生きて目にする人はいない。JR新宿駅のあたりまで数万度の高温にさらされ、人も物も原子へと還ってしまう。

火球は3秒ほどで消えるように見えるが、終わりではない。目に見えない超高熱の赤外線が、全方向を焼き尽くすのだ。爆心地から半径3kmほどの範囲では、熱線で人や物の影が地面に焼き付けられる。それより遠くにいる人も、肉まで焦がされて焼け死ぬことになる。

次に襲ってくるのが衝撃波、つまり爆風だ。核爆発で生まれた火球は音速をはるかに超えるスピードで膨張するため、空気と衝突して衝撃波が発生する。かろうじて熱線に耐えた建物なども粉砕され、砕かれたガラスや瓦礫が弾丸のように飛ぶ。ここまで、まだ起爆後10秒も経っていない。

 

「図のエリア2、半径約6.5kmの範囲では、ほとんどの建造物が破壊されます」(前出・ウェラースタイン氏)

東京でいえば、東は皇居を越えて丸の内や東京駅まで。西は環状8号線のあたりまでがこの範囲に該当する。衝撃波のもたらす圧力はあまりに強く、エリアの外周にいた場合でも、衝撃で内臓や骨、脳を破壊されたり、脳震盪を起こしたりして意識を失うケースが多い。

超高温で加熱された爆心周辺の空気は、猛烈な上昇気流を巻き起こし「キノコ雲」が生じる。同時に、衝撃波で一度吹き飛ばされた空気が一気に戻ってくるため、至るところで火災が起きる。木造の建物や布はひとりでに燃え出し、灼熱地獄と化すのだ。

プーチンの核ミサイルが東京都心を直撃した場合、被害はこれだけでは収まらない。日本の首都機能はどうなるのか。後編記事埼玉・川崎・浦安まで壊滅…プーチンの核ミサイル『東京都心』に襲来、その驚愕の『威力と死者数』」で引き続き紹介する。

『週刊現代』2022年6月4日号より

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