「家事をしない夫」扱いされた
しかし、後にその考えが甘かったことを知る。結婚して3ヶ月ほど経ったある日。いつものように正人さんが帰宅すると、なぜか部屋は真っ暗。澄恵さんの姿はなかった。
妻はどこにいってしまったのか…。正人さんがそう困惑していた時、携帯が震えた。ディスプレイに目をやると、そこに記されていたのは澄恵さんの父親の名前。
もしかして、妻の身に何かあったのでは…。不安になった正人さんが急いで電話を取ると、耳に飛び込んで来たのは、怒号。
「娘が泣きながら帰ってきた。お前が家事を全くせず、家で休むことができないから離婚したいと言ってる。一度、家に来い。」
妻の思わぬ気持ちを知り、正人さんは仰天。言われたとおり、ひとまず澄恵さんの実家に行くと、家の中から不機嫌そうな両親と目を赤くした澄恵さんが出てきた。
その場で澄恵さんは、事実ではない話を織り交ぜ、正人さんを罵倒。料理を作らないと僕が暴言を吐くとか、気に入らない食事は一口も食べずにゴミ箱へ捨てるなど、正人さんが実際には一度もしたことがない話を、澄恵さんは両親の前で涙ながらに事実として語った。
「当然、僕が反論しても信じてもらえず、彼女の両親からキツく叱られました。そして、これまで妻につらい思いをさせた分、しばらくは僕が家事全般を担うことを書面で約束させられました。」

実家からの帰り道、正人さんは怒りを抑え、澄恵さんに「なんで、あんな嘘をついたの?」と質問。すると、澄恵さんは一言、「家事をするのがめんどくなったから」と言い、笑った。
その言葉を聞き、正人さんは思った。自分は、もしかしたら、とんでもない人と結婚してしまったのかもしれない…と。
「家事手伝ってと一言、僕に言えば済む話なのに、不必要に大事にして、自分の両親を味方につけて僕を罵るなんて、ひどいと思いました。この一件から、この人の考えていることは分からない、妻が怖いと思うようになりました。」