2022.06.09
# エンタメ

レトロブームのいま、渋谷・円山町の「ラブホ街」で女子大生がやっている、「意外な楽しみ方」

新型コロナウイルス感染症の猛威もようやくひと段落し、町にも賑わいが戻りつつある現在。しかし、その爪痕が未だ癒えていない場所がある。その1つが渋谷区円山町のラブホテル街だ。

前編記事『渋谷の「ラブホ街」をZ世代はこう楽しんでいる…女子大生を惹きつける「魅力の正体」』では、Youtube『円山町チャンネル』を主催する現役女子大生・内野未唯さんと、『ラブホはわたしのワンダ―ランド』を連載する現役東大生・時田桜さんが、円山町の新たな魅力とともに、街の成り立ちや現在の衰退について語った。

引き続き、現役女子大生のおふたりが、レトロな雰囲気を残す「ラブホテル」に魅了される理由を語り合った。

コロナ前の循環が一気に変わった

―コロナ禍はラブホテル街にとっても大打撃だったのですね。

内野:そうです。経済的には、コロナ前はまだまだ景気良く運営できていたとは思うんです。ラブホテルは一回ごとの単価は安いですが、90分休憩など時間制になっているため回転率が良く、収益性の高いビジネスモデルなんです。

人気の時ほど回転率が高く回せますから、儲かる。逆に言えば人が来ないと単価が安いぶん、大打撃を受けてしまう。

ラブホテルは少なくとも、これまでは何かの延長線上に寄る場所だったと思うんです。ご飯食べにいって盛り上がって行くとか、カラオケに行ってそのまま……など別の目的の先にある場所でした。

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でも人の行き交いが途絶えてしまったことで、その循環自体が滞ってしまった。仮にどこかに寄っても速やかに自宅に帰ってしまう。何かの延長線上としてのホテルが必要とされなくなってしまったんです。

―コロナ前にはあった循環が一気に変わってしまったんですね。

内野:ただし、以前よりそうした循環は変わりつつあったとは思います。要因は複数多岐に渡りますが、世の中の住環境がよくなった事も大きな一因です。

再び歴史を紐解くと、ラブホテルという施設自体、戦後に政府が主導になって作った経緯があります。戦後の終わりの当時は、壁が薄いとか場所がないとか住環境が非常に良くなく、夫婦やカップルが安心して一緒に時間を過ごせる場所がなかったんです。

そのため、政府が子供を積極的に増やしたいという狙いもあってか、その専用の施設を用意してくれていたんです。当時はそうした施設のニ―ズも今よりはるかに高かったため、その場所を求めて列をなしていたと聞きます。

それを思えば、今は「事をなす」だけであれば自宅で済んでしまいます。防音機能が高いマンションもたくさんありますしね。そうであれば、ラブホテルにはその目的を超えて、「自宅では得られない遊び・非日常」が求められていると私は考えています。 

―そうなると、今後のラブホテルは熾烈な生き残り競争が激しくなっていきますね。

内野:事実、ラブホテルの跡地が次々とマンションや駐車場になってきています。特徴のあるラブホテルや空間がどんどん廃れて行っているんです。ある意味で普通の町になろうとしている、と言えるでしょうか。

時田:いつの間にか廃業になっていたラブホテルも増えています。部屋にファミコンがあるホテルや、70年代アメリカ風でジュ―クボックスがおいてあるホテルなど、渋谷の特徴のある面白いホテルもなくなってしまいました。

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