2022.06.15
# ライフ

16年間、父の介護を一切しなかった姉が「遺産の半分」を要求…遠距離介護をしていた妹の憤り

親世代の介護をするにあたり、兄弟姉妹間でのトラブルが生じることがある。今回取り上げるのは、長年、東京と岡山の「遠距離介護」を続けてきたヨウコさん(仮名、以下同)を襲った思わぬ悲劇だ。その驚きの全容と、同様のトラブルを防ぐための策を、おばあちゃんは、ぼくが介護します。』の著者、奥村シンゴさんが綴る。

父親が倒れ「遠距離介護」スタート

ヨウコさんは、岡山県出身の48歳。父親、母親、姉の4人家族でしたが、幼い頃に母親が死去。しかし姉は家事を全く手伝わず、父とヨウコさんで食事、洗濯、掃除をこなしてきました。

ある日、父親から「そんなに家が不満なら、一人で暮らしたらどうだ?」と言われた姉は家出。それ以来、姉はずっと、父親とヨウコさんに恨みを持つようになりました……。

Photo by iStock
 

その後、ヨウコさんは就職活動で希望していた東京のデザイン会社から内定をもらい、仕事中心の生活に。やがて、責任のあるポジションに昇進しました。

ところがヨウコさんが32歳の時、病院から「お父様が脳梗塞で倒れたので今すぐ来てください」と連絡があり、岡山に戻ることに。体調に回復の兆しが見え、リハビリ病院に転院したものの、父親はヨウコさんに「帰って来てくれ」と何度も頼むようになりました。父親の自宅は畳やこたつ布団が尿にまみれていたり、キャッシュカードや通帳の管理ができなかったりで、精神的に落ちこんでいたのです。

ヨウコさんは「父が少しでも父らしく、安心して健康に生活が送れるように」と、年間93日利用できる介護休業制度(最大3回まで分割取得可能)を利用し、父親を励ましつつ身の回りの世話をしました。

そして介護休業制度が終了してからは、東京でデザインの仕事をしつつ岡山に帰る、遠距離介護がスタートしました。

姉からの心ない言葉に苦しみ…

ヨウコさんは、父親の遠距離介護に加え、姉の執拗な暴言に悩み続けました。父親が脳梗塞で倒れた直後も、姉から信じられない一言が飛び出したのです。

「あんた(ヨウコさん)はただの平社員。成果も出してないのに偉そうに言わないで。社長に嫌われたらすぐクビになるよ。東京から岡山に帰ればお金も節約できるし、父親の年金で生活できるだろ」

姉からのそんな心ない言葉に加え、父親のために東京と岡山を往復、介護のための日用品の購入などもあって、ヨウコさんの貯金は激減。「父親の遠距離介護がいつまで続くのか。私の将来はどうなるんだろう」と、先が見通せない不安からうつ状態になり、精神科に通院するようになりました。

しかし体調は回復せず、薬とお酒を大量に飲んで自殺を図ってしまうことに。幸いにも翌日、会社からの電話でなんとか意識を取り戻しました。

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