2022.06.10
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これぞサイエンス? 邪馬台国の場所は「日食」で特定できるか

天文学者が議論した卑弥呼「最期の地」

邪馬台国はどこにあったのか? 古代史最大の謎といわれるこの難問に、意外な分野から斬り込んだ研究者がいました。日本史のさまざまな謎を当時の天文現象をもとに解明する「古天文学」を標榜した斎藤国治氏です。はたして彼が導いた結論とは?

さらにその後、斎藤説への異論を唱えた天文学者たちもいました。彼らが根拠としたのは、なんと地球の自転周期の「ずれ」でした——

このほど『日本史サイエンス〈弐〉』を上梓した播田安弘氏が、天文学者たちの邪馬台国論争のポイントをわかりやすく解説します。

「悪魔の証明」邪馬台国の所在地

世界で最も古い文明といえば、メソポタミア、エジプト、インダス、中国にそれぞれ発達したいわゆる「世界四大文明」とされています。たとえばエジプト文明では、約4500年前にクフ王のピラミッドが建造され、約3300年前にツタンカーメンが驚嘆すべきすばらしい美術品を遺しています。

日本にもピラミッドと同時代の約5000年前には、三内丸山遺跡(青森県)と呼ばれている大規模な集落がつくられていますが、文字による記録が残っていないために、世界的には評価されていません。

【写真】三内丸山遺跡三内丸山遺跡(青森県)は、ピラミッドと同時代の約5000年前につくられたが、文字による記録が残っていないために、世界的な評価は高いとは言えない photo by TOSHIBO

翡翠を加工する高度な技術をもち、大陸との交流があったにもかかわらず、日本に文字がなかったのは不思議な気もしますが、世界の東の端の島国であるため文明の到達が遅かったということはあるでしょう。ただし日本は湿気が多く、土壌が酸性であるために、残っている遺跡が少ないことから、古代史についてはよくわかっていないことが多いようです。

そのため、さらに時代が下った約1800年前の邪馬台国と卑弥呼についても、不明なことばかりです。そもそも、邪馬台国はどこにあったのかがわかっておらず、現在もなお多くの歴史家、考古学者、歴史愛好家の人々が推論している百家争鳴の状態であり、有力とされる近畿説や九州説のほかにも北海道説や海外説まであり、すべて数えれば候補地は80ヵ所以上もあるとされています。

邪馬台国の所在地こそは日本古代史最大の謎であり、証明することが不可能な「悪魔の証明」ともいわれています。

最近では専門の学者にかぎらず、多くのアマチュアファンも自由に議論に参加するようになってきました。とくにインターネットの普及とともにウェブ上で多彩な意見が非常に活発に提出されるようになり、邪馬台国論争はいままた、活況を呈してきているようです。

筆者は歴史学や考古学については素人で、古い文献も読めませんので的外れなところもあるかもしれませんが、むしろ先入観がないことを利点と前向きに考え、前著『日本史サイエンス』と同様に科学的アプローチから、この謎に挑んでみたいと思います。

まず、みていきたいのは、神話とサイエンスを融合させた視点からの検証です。

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