2022.06.15
# ライフ

父の介護を一切しなかった姉の「理不尽な要求」に妹は絶句…「遠距離介護」の家族トラブル対処法

親世代の介護をするにあたり、兄弟姉妹間でのトラブルが生じることがある。今回取り上げるのは、長年、東京と岡山の「遠距離介護」を続けてきたヨウコさん(仮名、以下同)を襲った思わぬ悲劇だ。

16年間、ヨウコさんに父の介護を任せきりだったのに、亡くなるやいなや遺産を半分要求してきた姉。ヨウコさんが取りうる対抗手段や、現行の制度の問題点とは。『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』の著者、奥村シンゴさんが解説する。

「特別遺産額」を増やすには?

ヨウコさんと姉の遺産相続は、寄与分制度に該当します。

寄与分制度とは、遺言の相続分、法定相続分にかかわらず、特別の寄与をした者には相当額の財産を相続させ、共同相続人の間の公平を図る制度のこと。特別の寄与には、いくつかのパターンがありますが、その一つが「介護」を含む療養看護型です。

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一例を挙げると、被相続人が認知症となり、常時の見守りが必要になった期間(3年間)について、親族による介護であることを考慮し、1日当たり8000円程度と評価。その寄与分を876万円(8000円×365日×3年間)と定めた審判例があります(大阪家審 平成19年2月8日 家庭裁判月報60巻9号110頁)(*東京アライズ法律事務所ホームページ より)。

しかし、民事裁判で資産の価格に対する寄与分が認められるのは10%以下が最も多く、50%を超える事例が最も少なくなっています。令和元年は135件の裁判があり、50%を超えたのはわずか7件、10%以下が58件(*同上)。寄与分が認められるケースはわずかです。

ですので、少しでも特別遺産額を上げるためには、介護サービスの利用・支払いの証拠、要介護認定の資料、医師の診断書、介護の様子を具体的に書いたメモや日記をそろえておきましょう(*ベリーベスト法律事務所・税理士法人ベリーベストホームページ より)。

また、葬儀費用は、長女である姉が葬式代を払わないのは非常識で、父親のお金から使っていいのです。誰が負担するかについて通説はありませんが、主に(1)~(4)のいずれかで捻出する考え方があります(*弁護士法人中部法律事務所ホームページ より)。

(1) 共同相続人が法定相続分に応じて分割承継する

(2) 遺産から支出する

(3) 喪主が負担する

(4) 慣習や条理に従い決定する

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