元外資系社員が教える 円安・副業時代を勝ち抜く「ひとり商社」のススメ

誰でも「商社」になれる時代が来ていた
山下 貴史 プロフィール

一番の困難

簡単簡単、と言っていますが、もちろん、成功に至るまでには多少の困難があったり、商売のコツを見出さなければなりません。いちばん難しいのは、「ひとり商社を始めよう」と思った時に、どうやって最適な商品を見つけるのか、だと思います。

これに関しては、無責任なことは言えません。あれを買った方がいい、これを買えばいいと言って、失敗した時の責任までは取れません。

ただひとつ言えるのは、皆さんが思っているよりも「日本で必要とされている商品、ニーズのある商品は、海外にたくさん転がっている」ということです。

あなたの周りにある商品を見てください。ビーズクッションなどのリラクゼーショングッズや皮むき器などのキッチン用品、缶詰や調味料などの食品、PCの周辺機器…様々なものが「海外から輸入されたもの」であることに気づくはずです。そして、よくよく調べてみると、それらを日本で販売している会社が、決して規模の大きなものばかりでないことにも気づくはずです。

まずは自分の興味関心や生活の範囲から「ここにはチャンスがあるんじゃないか」と思えるものを探し出してください。

たとえば、ビールが大好きな私の友人は、持ち前のビールの知識を活かして、世界各地のビールを調べて「日本人に受けそうなもの」で「まだ日本ではそれほど有名ではないもの」を探し出し、そのメーカーと直接交渉して、日本にまとまった数を輸入しました。それを通販サイトで売ったり、馴染みのリカーショップやバーなどに卸した結果、それが人気商品となって次々に発注が来るようになったのです。

料理好きな人ならキッチン周りのもの。収納に自信がある人なら収納グッズ。コーヒーが好きな人ならコーヒーそのものや、あるいはコーヒーにあうお菓子など…そのようにして、「自分の身の回りに足りていないもの、あったらいいなと思うもの」を「海外で探す」を実践してみる。世の中には、あなたが想像している以上に「いい商品」「いい道具」があります。それらが日本で「かかった経費以上の値段で売れる」と思ったら、まずは少量でいいので、メーカーに直接メールを送って、輸入の交渉をしてみる――それがすべてのスタートです。

最初に始めるときのひとつの基準は「ひと月分の給与程度の損失を見越しておく」です。これぐらいの額であれば、失敗してもそこまでの痛手を負いません。前述のとおり、最初は小さなものを選択すれば、保管費に悩むこともありません。

逆に、それらがすべて売りさばけるようであれば、そこには大きなビジネスチャンスが転がっているということです。次は少し注文量を増やして、実績をもとに販路を拡大する――これを繰り返していくことが、商売の王道であり、独り立ちへの近道となります。

 

困難だってあるけれど

もちろん、ここで話したことはあくまで「一通りの流れ」であり、実際にひとりでビジネスを始めるには、口座を開いたり、会社を登記したり、税務処理をしたり…と煩雑なことをやる必要があります。

また、すべての商品が「輸入可能」というわけではなく、様々な法律や慣習によって、追加資料がないと輸入できない商品、日本では販売できない商品もあります(実はこれらも、管轄の行政機関に問い合わせればよいだけなのですが、この点は、十分注意いただければ幸いです。実際に輸入を開始する前に、最低限覚えておいた方がいい法律や慣習もあります)。

それらについては、今回は詳しくは触れませんが、多少煩雑ではあるけれど、会社で、あるいはお店で一通りの業務を担当したことのある方であれば、決して難しいことではありません。

くわえて、商品の探し方も、いくつものパターンがあります。海外のSNSを活用して流行りの商品を見つける方法もありますし、展示会などに足を運んで、海外のメーカーの魅力的な商品をチェックするのもひとつです。

もちろん、失敗する可能性もあります。それを回避するための方法もあるのですが、限られた時間ではそのすべてを説明することはできません。

ただ、方法や成功の道に違いはあれど、結論はひとつです。「ひとり商社」を始めることは難しいことではない。これに尽きるのです。

いきなり大きなことを始めるのはお勧めしませんが、「少量で」「コストがかからず」「失敗しても月の給料ぐらいの損失で済むもの」に焦点を絞って、まずは土日を活用したサイドビジネスとして始めてみるのはいかがでしょうか。

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