一度なったらやめられない
国会議員といえば、憲法にある通り国民の代表者である。法律を定める国会で活動する議員たちには尊敬の眼差しが向けられる一方で、傲慢にならない謙虚さが求められるのは当然だ。
だが、新型コロナウィルスの感染拡大で傷ついた国民の感情に寄り添う言動はあまりに少ない。目立つのは「身内贔屓」と「特権」の数々で、国民の政治不信は高まる一方だ。
大型連休明けの日本列島を襲ったのは、コロナ禍で苦しむ人々には信じがたい議員たちの言動だった。発言の主は「三権の長」である細田博之衆院議長である。

細田議長といえば、週刊文春によって「細田セクハラ議長」と名指しを受けた人だ。報道によれば、女性記者、自民党職員、カードゲーム仲間ら8名が被害にあったという。
〈細田さんの女癖は有名〉〈「今から家にこない?何もしないから」と執拗に誘った〉〈女性議員に対してもセクハラのような言動をしていた〉と指摘を受けているが、細田議長は3週連続で文春の質問状に回答をしていない。
議員という特権的身分に溺れ、立場の弱い女性を執拗に誘っていたのだろうか。一刻も早い真相の究明が求められる。もし、事実なら即刻、議長、衆議院議員などの公職は全て辞任すべきだろう。
そんな細田議長だが、5月10日、東京都内で開催された自民党議員のパーティで、国会議員の「身分」についての持論をこう展開していた。
「一体、いくらもらっていると思うのか。議長でも毎月歳費は100万円しかない。上場会社の社長なら1億円はもらう」
「1人当たりの月給で100万円未満のような議員を多少増やしてもバチは当たらない」
国民には一律10万円の特別定額給付金を再給付せず、年金生活者へのコロナ対策給付金もわずか2週間で白紙撤回される中で、国会議員にとっての毎月100万円は「しかない」という感覚らしい。ちなみに、国民の平均年収は433万円である(令和2年、国税庁の民間給与実態統計調査)。