セクハラ疑惑「細田議長」が極限まで使う「JR無料パス」「毎月100万円お手当」議員特権…甘い汁の中身

小倉 健一 プロフィール

航空券は毎月4往復が無料

細田議長は、最高裁が違憲状態と判断した「1票の格差」を是正する選挙制度改革に異論を唱えてきたことで知られる。

2016年に成立した衆院選挙制度改革関連法に基づき、政府の衆院議員選挙区画定審議会は「10増10減」とする区割り改定案を6月25日までに岸田文雄首相に勧告する予定だが、新たな定数配分は「都会だけ増やし、地方いじめのような『10増10減』はもうちょっと考えたらどうか」などと批判してきたのである。

とはいえ、細田氏が選挙制度改革問題統括本部長を務めた自民党は、関連法を提出・成立させた「生みの親」である。加えて、国会で決めた法律に議会の長が異論を唱え、それを覆そうとするのでは「国会の権威は丸つぶれ」(閣僚経験者)になるのは言うまでもない。

細田氏がパーティで語った「議員を減らせば良いのか考えた方が良い。民主主義ではできるだけ多くの議員で盛んな議論をするのが良い」との主張には一定の理解を示す議員もいるが、こうした自己否定するかのような言動の数々は自分たちの「身を切る改革」には甘いと映る。

国会議員の「身分」をめぐるニュースは後を絶たない。5月8日には他の現職議員になりすまし、国会議員用の「JRパス」で東海道新幹線の特急券・グリーン券をだまし取ったとして、山下八洲夫元参院議員が詐欺容疑などで逮捕された。

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「議員時代のことが忘れられなかった」などと話しているというが、それほどまでに議員の特権は飛び抜けているらしい。

全国紙社会部記者が語る。

「国会議員には、新幹線のグリーン車に乗ることができるJRの無料パスの他にも、航空券は毎月4往復が無料になるなどの『特権』が与えられています。かつては私鉄とバスの無料パスも支給され、私的な使用も横行していました。

秘書も3人まで税金で雇うことが可能で、議員宿舎にも格安で居住できます。『一度なったらやめられない』という議員は少なくないですよ」

税金が原資の甘い汁に浸る国会議員の特権を整理してみよう。まず、衆院議長が「100万円しかない」と語った歳費(給与)

衆院議長と参院議長は217万円、両院の副議長は158万4000円、国会議員は129万4000円(コロナ感染拡大に伴い現在は2割減額)が月額として定められている。

 

ボーナスに相当する年2回の期末手当(計628万円)もあり、合計すれば国会議員は1900万円近い年額を手にしている。国民の平均年収の4倍超だ。

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