「この先も引き受けたら、絶対ハードな仕事になるだろうな…」と予想していた反面、あまりにも珍しいゴーストマンションと個性的な住人を目の当たりにして、この先どうなるのか気になっている自分がいたのも事実です。しかしその後、三浦さんから再度連絡が来ることはありませんでした。
このマンションは管理費や修繕積立金の残高も皆無で、エレベーターを修理しようにも工事代金すら支払えない状態でした。住人の中には80歳を超えた高齢者も多く、老朽化した設備だと怪我するリスクもあり、最悪の場合は死に至る可能性も考えられるでしょう。
立地は最高なので更地にして売却するのがベストとも思うのですが、高齢の住人が多いとそれも難しいです。その後どうなったのかはわからないものの、かなり「手詰まり感」が強いマンションでした。

一部の理事がマンションを私物化
「管理組合の一部の役員が暴走して、マンションを完全に私物化しています。彼らを止める方法はないのでしょうか?」
困りに困って相談会にやってきた茂木俊明さん(68歳)は、会社経営者の男性でした。現在のマンションは築35年、20戸ほどしかない小規模なもので、長年住んでいる人が多く、住人同士もほとんどが顔見知りです。32年にわたって住んでいる茂木さんは管理組合の理事を務めていますが、最近では理事長を含む一部役員の行いに閉口していると話します。
「住人全体の利益を考えて行動すべき管理組合が、一部の役員によって私物化されてしまったんです。あまりに露骨な“利益誘導”で、あきれてものも言えません」