2022.06.16
# 気象

大気の温室効果の発見! そこにはあの偉大な科学者の名前が!

フーリエの知られざる業績と地球温暖化

人類の吃緊の問題ともいえる「地球温暖化」。再生可能エネルギーやEV車に代表される「脱炭素社会」へ舵が切られていますが、そもそも「大気が地球を温めている」という大発見は誰の功績なのでしょうか。それはあの偉大な科学者だったのです!

大気が地球を温めている!

地球は電磁波の放射伝達を通じて周囲とエネルギーを交換している。そのため、地球の熱収支は、地球に入射する電磁波、すなわち比較的短い波長(約0.4〜1μm)の太陽放射の吸収による熱獲得と、地球から外に出ていく比較的長い波長(約4〜30μm)の上向き地球放射による熱損失によって決まる(図1)。

【図】地球の放射熱収支の模式図図1 地球の放射熱収支の模式図

太陽のエネルギー出力も地球の大気組成も変化しない状況を仮定すれば、正味の入ってくる太陽放射と出ていく地球放射とを、十分に長い期間にわたり地球全体で平均すると、両者はぴったり一致するだろう。それは、地球は全体として放射による熱収支平衡の条件を満たすような温度に達しようとするからだ。

たとえば、温度が高すぎると、地球放射によって失われる熱が、正味で入ってくる太陽放射から得られる熱を上回るため、地球全体の温度は下がる。一方で、温度が低すぎると状況は逆転し、地球の温度は上がる。

長い目で見れば、大気上端から正味で入ってくる太陽放射と出ていく地球放射のつり合いがとれるように、地球の温度は保たれている。 地球全体で平均すると、大気上端から地球に入射する太陽放射は341.3W/m²であり(Trenberth et al., 2009)、そのうちの101.9W/m²、つまり約30%は地表面、雲、エアロゾル、空気中の分子によって反射されて宇宙へ戻る。

残り70%が地球全体に吸収されるということは、大気上端に入ってくる正味の太陽放射は239.4W/m²であり、その大部分は地表面で吸収される。衛星による観測結果から、地球から外に出ていく地球放射は238.5W/m²であることがわかっており、入ってくる太陽放射はそれをわずかに上回っている(Loeb et al., 2009; Trenberth et al., 2009)。

放射収支に0.9W/m²ほどの収入過剰があることは、目下、地球規模で温暖化が進んでいることとつじつまが合っている。大気を含めた地球システムの出す放射が、シュテファン・ボルツマンの法則)に従うある温度の黒体放射であると仮定すれば、その温度が「地球の有効放射温度」である。

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