2022.06.14
# 日本病 # 円安 # 日本経済

この円安は日本経済復活のチャンスである

「日本病」への処方箋
永濱 利廣 プロフィール

経済安全保障の実現にとって、この円安は大きなチャンス

もし国内に生産拠点が残っていたら、今回の円安でも、輸出する際に大きな恩恵を受けられたはずだ。

コロナ禍での急激なマスクや医薬品の不足は、多くを輸入に頼っていたことで起きた。「産業のコメ」と言われる半導体も、コスパを優先し海外生産に移した結果、世界的に供給不足が続いている。

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必需品の輸入依存度が高すぎることは、国の経済にとって大きなリスクとなる。戦略物資の国内調達を維持することは、国家の安全にとって重要なことなのだ。こうした「経済安全保障」の観点から、生産拠点を国内に戻そうという動きが今、世界的に起きている。国内回帰を促すにあたり、産業空洞化が起きたときと真逆の局面である円安は有利に働く。

実際、岩手県北上市では工場建設ラッシュとなっており、群馬県太田市でもEV(電気自動車)生産のため国内工場の新設が発表されるなど、工場の国内回帰の動きは活性化している。

農業にも同じことが言える。日本の農家が儲かりにくいのは、一つは輸出が少ないこと、もう一つは円高によって海外の輸入食材が安く入り、国産品が売れにくかったことによる。

しかし現在、輸入原材料高に加えて円安により、半ば強制的に国内自給率を上げざるをえない状況になった。

この円安・原材料高は、食料自給率を上げ、日本農業の生産性を上げる良い機会である。