2022.06.14
# 日本病 # 円安 # 日本経済

この円安は日本経済復活のチャンスである

「日本病」への処方箋
永濱 利廣 プロフィール

「日本病」への処方箋、農業の生産性向上を阻む壁とは?

では、なぜ日本農業の生産性は低いままなのか?

大きな要因として、企業が農業に参入しにくいことがある。日本では株式会社が自由に農地を取得できないのだ。

この問題はずいぶん前から指摘されていて、2014年から兵庫県養父市で国家戦略特別区域(中山間農業改革特区)として、企業の農地取得を認める試みが始まった。6社が参入し、うまくいくかに見えたが、農地の取得よりリースのほうが安いといった運用面での問題や、企業の農地取得に強固に反対するなど抵抗勢力が根強いことなど、前途多難な様子である。

一方、一次産業が儲かる海外では若い人材も農業に参入し、技術革新などで生産性を上げている。

たとえばオランダは、九州ほどの国土と人口でありながら、農産品・食料品の輸出額は世界第2位。日本の輸出額の約11倍である。

IT技術を使い、プラント工場などで生産性と品質を高めて大量に生産することで、狭い国土でこの輸出量を保っている。日本の農業も、こうした方向でやっていけるはずである。

いまの円安状況をすぐに止めることはできない。ならば、円安を経済構造を見直すチャンスに変えればよい。

「経済安全保障」の実現は、同時に「日本病」への処方箋でもあるのだ。