降圧剤、糖尿病薬、胃薬 一生でクスリに支払う金額がすごかった

血液サラサラのクスリだと120万円

ちりも積もれば……

山上博さん(72歳、仮名)は、自分がとりたてて病気がちだという意識はない。だが、58歳のときに、軽い脳梗塞で病院に運ばれてから、毎日飲むクスリの量は増えた。

「降圧剤に血液サラサラのクスリ、脂質異常症薬に糖尿病薬。他にも会社の健康診断で『尿酸値が高いから』と勧められた尿酸のクスリ。一度も痛風の発作が出たことがないので、飲む意味があるのかどうかわかりませんがね……」

 

厚生年金に加え、それなりの企業年金ももらっているので、医療費は3割負担だ。経済的に恵まれている証拠ともいえるが、毎月のクスリ代は1万円を超えており、支払いのたびにモヤモヤとした気持ちになる。

いったい死ぬまでどれだけクスリにカネを払い続けるのだろう。そもそも、本当にクスリで健康になっているのだろうか。死ぬまで、飲み続けなきゃいけないのか……

そんな疑問と諦念がいりまじった思いを飲み込みながら、薬剤師がお薬手帳を確認する姿を眺めるのだ。

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「高齢になるとどうしてもクスリの種類が増えてしまう方が多い」

こう語るのはナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師だ。

「たとえば前立腺肥大症にかかったため泌尿器科でクスリをもらう一方で、膝が痛むので整形外科に通って鎮痛薬を飲む。それとは別に内科で降圧剤や糖尿病薬をもらう、というふうに複数のクリニックにかかっていると、クスリの量はどんどん増えて、医療費もふくらみがちです」

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