2022.06.13

「日銀は政府の子会社」だから、国の借金は心配無用⁉ 安倍元首相のヤバすぎる勘違い

ドクターZ

安倍元首相の勘違い

5月上旬、自民党の安倍晋三元首相が大分市内での会合で行った発言は、広く議論の的になった。

その内容は以下のようなものだ。

(1)「(政府の)1000兆円の借金の半分は日銀が(国債として)買っている」

(2)「日銀は政府の子会社」であり、それゆえ、

(3)「60年で(返済の)満期が来たら、返さないで借り換えて構わない。心配する必要はない」

photo by gettyimages
 

結論から言えば、この発言はいくつかの問題をはらんでいる。

そもそも、日本銀行法第3条に〈日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない〉とあるように、中央銀行が政府から独立して金融政策を行うべきであることは、先進国に共通の認識だ。

そのため、鈴木俊一財務大臣は「日銀には金融政策や業務運営の自主性が認められており、『政府の子会社』には当たらない」と安倍元首相の発言の火消しに躍起になった。

現政府と元首相の考え方は異なるというメッセージを、世間に強く発信した格好だ。

もっとも、黒田東彦総裁を筆頭とした日銀の正副総裁3人、そして金融政策を決定する日銀審議委員も間接的に政府の裁量で決められていることを考えれば、「実質的には子会社になっているではないか」という考え方も間違いとは言えない。

しかし、前述の発言のうち、一番問題なのは(1)や(2)ではなく、(3)の「心配する必要はない」という部分だ。

国の借金を「問題がない」とみなす人々のロジックを要約すると、「国の負債である国債の多くは日銀が資産として保有しており、国と日銀のバランスシート(BS)を統合して考えれば、負債(借金)の金額は大きく減少する」というものだ。

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