2022.06.15
# 相続税

「すべての遺産は妹に…」父の遺言書で激化した、兄妹間の「争続バトル」の行方

どうすればよかったのか?

「うちは大丈夫」と思って対策していない家族に限って、相続トラブルが起こってしまうもの。場合によっては、「争続」と呼ばれるほど深刻な争いに発展してしまうケースも少なくありません。

倉橋翔子さん(53歳・仮名、以下同)の父・猛さんが末期の胃がんで倒れたのは、約3年前のことでした。救急搬送、入院、ホスピスへの転院と一人で父の世話をする日々が続き、治療費や介護費用もかさみます。

猛さんの死を目の前にして「父が亡くなったら本人名義の口座が凍結されてしまう」と焦った翔子さんは、介護費用や葬儀代として250万円を引き出しました。これが後々大きな火種になるなんて、その時は予想もしていなかったのです。

【前編】『実の妹を「泥棒」扱い…「250万円」から始まった、兄妹の激烈な「相続バトル」』に引き続き、翔子さんの事例を参照しながら相続トラブルを防ぐ方法について紹介しましょう。

 

兄に250万円の行方を追及され……

「この250万円はなんだ!」――翔子さんが兄の圭吾さん(57歳)から引き出したお金について激しく詰め寄られたのは、猛さんの通夜と葬式が終わって間もなくのことでした。

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「まさかそんなに詰め寄られるとは思わなかったので、唖然としました。兄は介護を経験していないので、先の見えない不安とかつらさとか、お金の心配があることとかを理解できないのだと思います。

でも、3か月に及ぶ父の闘病に付き合ったのは私です。医師の先生から『末期で長くはない』とは言われましたが、亡くなる日を予測することはできないし、終わりの見えない闘病生活に寄り添うのは、本当につらかったんですよ。

無我夢中だったけど適切に対応してきたつもりですし、ATMから250万円引き出したことは間違っていないと思っていますから、責められる意味がわかりません」

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