2022.06.14
# 政治

羊頭狗肉の岸田政権 「骨太の方針」と「新しい資本主義」の空虚さ

このままでは「失われた4年」が来る

「骨太の方針」とは何か

「岸田総理の『新しい資本主義』は日本経済を改革しないだろう」
今年の世界の10大リスクの第1位に『中国のゼロコロナ政策』をあげて上海のロックダウン(都市封鎖)などを予見したことで知られる、米コンサルティング会社ユーラシア・グループは、クライアントに送付したダイレクトメールのタイトルにこう掲げて、岸田政権の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を酷評した。

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」だけでなく、岸田政権が同じ6月7日に閣議決定した今年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針2022)の評判も芳しくない。

なぜ、それほどまでに「骨太の方針」と「新しい資本主義」の評判が芳しくないのか考えてみたい。

まずは、「骨太の方針」だ。毎年1回策定される「骨太の方針」は、小泉純一郎政権下の2001年度の第1回以来、各省庁の利害や与党の反対意見を押さえて、やらなければならい改革を官邸主導で進めるための指針と位置づけられてきた。

photo by iStock
 

総理が議長を務める「経済財政諮問会議」が議論の場で、かつての財務大臣、宮沢喜一氏がその場での議論を「骨太」と称したことから、略称として「骨太の方針」が定着したこともよく知られている。

つまり、「骨太の方針」は、時の政権が重点的に取り組もうとする政策課題やその方向性、実現の手法などを毎年6月ごろに明確にしておき、これに沿う形で、その年の年末の予算編成を進めさせる役割を担っているからこそ、その内容が毎回、大きな関心を集めてきたわけだ。

そうした目線で捉えれば、総花的になったと言われる昨今の「骨太の方針」の中でも、「骨太の方針2022」は群を抜いて総花的なものにとどまった。

菅前政権が取りまとめた昨年版も、生温さがなかったわけではないが、それでも脱・炭素社会の実現に向けては、「2050年カーボンニュートラル、2030年度のGHG削減目標の実現に向け、(1)脱炭素を軸として成長に資する政策を推進、(2)再生可能エネルギーの主力電源化を徹底、(3)公的部門の先導により必要な財源を確保しながら脱炭素実現を徹底」といった基本方針を明記して、「再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、再生可能エネルギーに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促す」と毅然とした方針を具体的に示していた。

ところが、今年版「骨太の方針2022」は、岸田総理が主張してきたはずのものとはやや趣の違う政策がふんだんに盛り込まれて、これが従来の主張とは異なるため、国策の優先順位が見えづらくなった。それゆえ、全体としての関心が薄れてしまい、評価が低下した格好なのである。このことは、総理が自民党総裁選以来拘ってきた金看板の「新しい資本主義」も同じ傾向にある。

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