東大卒の才女として様々なメディアで活躍する山口真由さん。弁護士になり、メイクを注意されてもやめられなかった「まつ毛エクステ」だが、ある日、どんどん取れていくそれにヒステリーを起こした山口さんは、なんとピンセットでまつ毛を引っこ抜く暴挙に出たという。20代のメイクについて綴った前編【東大卒・山口真由が語る…やめられなかった「まつエク」をピンセットで引っこ抜いた日】に続き、後編ではメイクが濃くなったきっかけにもなった中学生時代の「イケてるグループ」との関わりについて振り返っていただきます。

我に返った父からの一言

誰にも会いたくない、どこにも出かけたくない……ショックのあまり実家の2階の子ども部屋でお布団をかぶって引きこもっていた私に、階下から父がノーテンキに声をかける。

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「ごはんだから降りてきなさい」

「今、人生最悪の憂鬱状態にあるから、ごはんなんか食べてる場合じゃないの!!」とふてた私に父はしつこく誘ってくる。

「間寛平さんとおんなじくらいまつ毛が短くなってんだよぉ」と自暴自棄に怒鳴り返すと、父は「それが、人生最大の憂鬱かぁ……お前は悩みがないんだなぁ」と嘆息した。

それは、その日、二度目の衝撃だった。

「そんなに化粧にこだわらなくたって、真由は十分かわいいんだから」、父がそんな戯言を口走ったら、私は絶対に言うことを聞かなかったと思う。だが、父の声音には憐憫も嫌悪もなく、どこまでも淡々として、心底どうでもよさそうだった。

私のレーダーで測る父の戦闘能力は決して高くない。体を鍛えてもない。スニーカーを履きこなすでもない。髪型が今っぽくもない。ちょっとくたった部屋着を着て、年相応に脂肪を身に着けたはじめた父は、しかしながら、そんなこと気にしたこともないのだと知る。私を支配するこのモノサシと全く無関係に生きている人間がここにいた……。

黙って階下に降りて、父と食卓を囲み、そこからつきものが落ちたように私は道化のような化粧をやめた。