2022.06.18
# 教育

12年ぶりに復活を遂げた「学研の科学」…“五感を使った体験”を令和の子どもに届ける

「学研の科学」が、2022年7月7日に12年ぶりに復活する。筆者は小学生のころ「科学」の付録でシーモンキー(正確には学研では「おばけえび」「アルテミア」と呼称していた)を育てた際に大増殖の末に全滅したことがいまだに記憶に残っているが、同様に子どものころの良き想い出フォルダに学研の学習雑誌「科学」「学習」のことがしまい込まれている大人は多いことだろう。

復刊第1弾は水素エネルギーロケットの組み立てキットと76ページの本誌、学研まんが「SDGsのひみつ」がまるごと1冊ついて税込2970円。かつてのように家庭や学校ルートでの直販ではなく、書店流通での販売となる。

新しい「科学」はどんなものなのか。どんな勝算があっての参入なのか。そして編集部が子どもたちに届けたいものとは――「学研の科学」編集長・吉野敏弘氏に訊いた。

 

書籍のシリーズとして復活した「学研の科学」

学研の屋台骨を長年にわたって支えてきた小学生向けの学年誌「科学」「学習」が部数減によって休刊したのは2010年。

休刊以降も「科学」復活へ向けた挑戦は学研社内で何度もあったが、なかなか実を結ばなかった。だが休刊後に「科学」の元・編集部員が手がけたプラネタリウム、テルミン、トイ・レコードメーカーの号などが大反響を呼んだ「大人の科学マガジン」の読者からも「子どもたちにもこの楽しさを届けてほしい」という声が絶えず届いていた。

編集スタッフにかつての「科学」編集部員から若手の理系編集者までが揃い、力と時間と予算をかけられる環境ができたことで、1年以上に及ぶ準備期間を経て、今回の本格的な復刊に至った。

実は、少子化が進むなかでも1990年代末から次々と整備されてきた国の読書推進政策の影響で、児童書の「書籍」市場は堅調さを保っている(出版科学研究所調べでは1998年には推定700億円市場だったものが、2021年には967億円)。

一方で読書推進運動の蚊帳の外に置かれた子ども向けの「雑誌」市場は縮小し続けてきた(たとえば朝の読書でも雑誌は禁止されていることが多い)。2010年の「科学」の休刊もこのマクロトレンドに抗えなかったことが一因だ。しかし、2020年代になっても子ども向け雑誌市場が好転する兆しは見えない。

そんななかで復活して大丈夫なのか、と思うかもしれない。

だが、復活する「科学」はかつてのような定期購読を前提とした月刊の「雑誌」ではない。年3回程度の刊行を予定している「書籍」のシリーズなのである。毎月家や学校に届くとか、時間が経つと次の号と入れ替えで書店から消えるものではなく、書店で長く売っていくことを前提にしたものに変わっている。

「図鑑であれば動物、魚、恐竜など色々なテーマが揃っていて、通年で書店に置かれていますよね。その中から、自分の好きなものを選んで買っていく。今回の『学研の科学』もそういう様々なテーマが並ぶシリーズにしたいんです。小学生にやってもらいたい科学体験を1巻ごとに詰め込んだ本とキットのセットが、書店に行けば一通り揃っていていつでも買えるという状況を作りたい。だからみなさんにまずは7月に出る第1弾の水素ロケットで『なるほど!』『面白い!』と思っていただき、また別のテーマを扱う第2弾、第3弾につなげていければと」(「学研の科学」吉野敏弘編集長)

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