取材した高齢者の8割が「<プラン75>があればよい」

――なぜ、主人公を78歳の女性にしたのですか?

早川監督:やはり社会において女性のほうが弱い立場にいるから、つらい状況に陥りやすいのではないかと。最初から主人公は女性だと決めていました。

『PLAN 75』より

――女性のほうが長寿ですし、男女賃金格差もありますものね。監督は実際に、高齢者の方に取材をされたとか。

早川監督:はい。60代から80代の女性を中心に15人ほどに取材をしました。みなさんが辿って来た人生をお聞きし、最後に<プラン75>についてお聞きしました。すると、8割ぐらいの方が「<プラン75>があればよい」とおっしゃったんです。理由は、「誰にも迷惑をかけたくないから」と。お子さんや家族がいる方たちも、「迷惑をかけたくない」とおっしゃるんです。本当に一人ひとり、それぞれに様々な人生、個性と価値観があるのに、「迷惑をかけたくない」と口を揃えるんです。

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高齢者が生きづらい社会は若者も生きづらい

――本作は高齢者を主人公にしながらも、若者たちも描いていますね。倍賞千恵子さん演じる主人公と河合優実さん演じる<プラン75>で働く若い女性は、規則を破って心を通わせていきます。「高齢者が優遇されているから若者が貧困に陥る」などと、「高齢者vs若者」の分断が起きている現代で非常に重要な描写だと思いました。

『PLAN 75』より

早川監督:ありがとうございます。私たちの誰もが年をとります。子どもたちや若者が「年をとったら邪魔な存在になる」と思いながら生きていく社会を、私たちは望むでしょうか? 高齢者が生きづらい社会はすなわち、若者が助けを求めにくい社会でもあると思うんですよね。