――<プラン75>で働く介護者に、ステファニー・アリアンさん演じるフィリピン人の女性がいます。外国人技能実習生への政府の対応が問題視されているなか、興味深い設定ですね。

『PLAN 75』より
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早川監督:ステファニーさんが演じたフィリピン人のマリアという役は、コミュニティや家族の絆が失われつつある日本と対照的な存在として描きたかったのです。フィリピンの方はコミュニティや家族の絆が非常に強く、高齢の家族を介護施設に送ることはあまりしないものだと聞きました。人口の9割以上がキリスト教系の信仰を持つそうで、助け合うことが当たり前というお国柄。

一方、日本は家族だけでなく、他人との関わりも薄くなっているように感じます。私が東京に住んでいるからかもしれませんが、自分が見える範囲以外の人やモノには無関心。自分の知り合いだったら親しく話すけど、知らない人は全くシャットアウトしているような印象を受けます。東京で道を聞きたくて「すみません」って話しかけたら、なぜかものすごく警戒されたり....。

「高齢者の女性が主人公だとお客が入らない」

――なるほど。マリアは映画の最後のほうで“ある行動“をとりますが、彼女が日本人だったらあのような行動はとらなかったかもしれないと感じました。ところで、本作は国際共同制作により製作されましたが、資金集めの段階で複数の日本の映画会社から断られたとか。

早川監督:はい。高齢者の女性が主人公だとお客さんが入らないから、「主人公を若い男性にしないとちょっと難しいですね」とお断りされることがありました

――それはシネコンのメインの客層が10代から20代の若い男女だからでしょうか?

早川監督:そうなのかもしれません。