2022.06.17
# 政治政策

岸田政権の「骨太方針」が発表、でもやっぱりその「経済成長政策」に不安が募るワケ

「分配重視」の色は薄まったが…

一定の意義は認める。しかし…

岸田文雄政権の経済政策である「骨太方針2022」が、6月7日に閣議決定された。副題は「新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」である。5月31日時点でこれらの政策の原案は判明しており、それ以降日本株は総じて堅調に推移していた。ただ、同時期の株高は、米株が安値から反発していたことが影響しており、金融市場では材料として意識されていないだろう。

骨太方針や「新しい資本主義」の実行計画において、いわゆる経済成長に関するメニューが増え、従来の分配重視の姿勢に変化がみられた点では、一定の意味があると筆者は考えた。

しかし、政策パッケージに表れる姿勢が変わったとはいえ、本当に経済成長を促す政策が実現するか。多くの計画が含まれているが、具体策や政策効果が不透明で、市場においては材料になりようがないというのが実情だろう。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

振り返ると、岸田政権発足当初は、首相の政治姿勢を反映して「分配と成長の好循環」のスローガンが掲げられ、所得分配政策が中心になると予想された。しかし、日本経済において、家計への分配が足りないように感じられるのがなぜなのかについては、様々な議論がありえると思われる。

例えば、大企業に利益や内部留保が集まり、従業員の給与が増えずに、労働分配率が低下していることが問題とされている。企業利益が溜まっても賃金が十分増えないので、市場メカニズムに任せては解決しない、との問題意識が岸田首相らにはあったと思われる。

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