Google本社のエグゼクティブトレーナーを務めるほか、Appleやテスラなどのエグゼクティブをクライアントに持つフィットネストレーナーのSayaさん。1分1秒を無駄にしたくない超多忙なビジネスパーソンのために考案したメソッド『globody(グローボボディ)』で、効率的なボディメイクを指導している。アメリカは元々フィットネス大国。数多いるフィットネストレーナーがたくさんの独自メソッドを開発しているが、なぜSayaさんのメソッドが世界的最先端企業のエグゼクティブから支持されるのか。
38歳で離婚し、キャリアゼロから39歳でエグゼクティブトレーナーになったSayaさんの人生について取材した前編【元専業主婦が39歳・キャリアゼロで「Google本社」のフィットネストレーナーになれた理由】に続き、後編では『globody』の特徴やハウツーを紹介するほか、心身のケアに対する日本との意識の違いもお伝えする。
取材・文/金澤英恵
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まず気になるのは、『globody(グロー)』とはどんなフィットネス・メソッドなのかという点だ。Sayaさんはこう説明する。

「私が考えた『globody』は、体幹を鍛えてボディメイクを叶える“ピラティス”の原理を元に作ったメソッドです。『globody』を構成するのは3つのパート。まずは【1】大きな動きで関節の可動域を広げ、心拍数を上げて脂肪を燃焼する『ファットバーン』。【2】関節の可動域を広げたまま小さく動く『パルシング』。【3】その動きをキープする『ホールド』。この3つをセットにすることで、効率よく筋肉に負荷をかけることができます。短期間でボディメイクしたい、短時間で達成感を得たいという、Google社員の声を元に作りました」
過酷な頭脳労働を行うテック企業のクライアントの中には、この『globody』メソッドがコロナ禍の体だけでなく、心の支えになった人もたくさんいたようだ。「コロナ中は特に在宅ワークでglobodyを行えたことで、体とメンタルの健康をキープすることができた」「エクササイズをするとマインドがポジティブになり、1日中快適に過ごせる。動かない日は寝つきも悪く、気分も不愉快」などの声がSayaさんの元に寄せられた。
「運動をすることは、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を増やして、精神を安定させることにもつながります。うつ病の薬に匹敵する、もしくはそれ以上の効果があるとする研究結果もあるんですよ。つまり、体を動かすことは、気持ちを動かすことでもあるということ。実際アメリカでは、メンタルヘルスのためにピラティスを取り入れる人も多い。そのピラティスを元に作った『globody』も、体と心のバランスを取ることを重要視しています」