黒田発言への率直な疑問-家計の値上げ許容度は低下しているのでは?

価格転嫁は半分程度しか進んでいません

国民の値上げ許容度は、日銀総裁が言うように高まっているのだろうか ? 転嫁度についての分析からは、逆の結論が得られる。

大きな反響を呼んだ黒田発言

黒田東彦日本銀行総裁の「家計の値上げ許容度が高まってきている」との発言が、大きな反響を呼んだ。

黒田東彦・日本銀行総裁 by Gettyimages

参議院選を前に物価高騰が大きな問題になっている中で、野党は反発して国会で追求。結局、この発言は6月8日に撤回された。

 

国民が値上げに対してどのような考えを持ち、対処しているかは、大変重要な問題だ。ただ、それをいかなる手段で測定し、その結果をどう評価するかは、それほど簡単なことではない。

黒田総裁は、「なじみの店でなじみの商品の値段が10%上がったときにどうするか?」との質問に対して、「他店に移る」との回答割合が減少したことなどから、前記の結論を引出したのだが、このデータからそのような結論を出すのは、やや強引との印象を持たざるを得ない。

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