今月17日に生活情報誌「オレンジページ」新編集長への就任を発表した松田紀子さんは、異色の経歴を持つ。4年前までは「オレンジページ」の競合誌である「レタスクラブ」編集長として、完売記録を何度も出した。創刊以来初めて「オレンジページ」の部数を抜き、社内を大いに沸かせたり、コミックエッセイの編集長を兼任し、ヒット作も連発していた。そんなキャリアも評価も上昇中に、松田さんは突然出版社を辞めた。松田さんはなぜ辞めたのか。そして4年を経てなぜ競合誌だった「オレンジページ」の編集長に就任したのか。
ワーキングマザー松田さんの転職に至った理由と、「オレンジページ」編集長に就任した背景を聞くと、40代女性が「あと30年働く」ためのヒントが見えてきた。

 

40代ワーキングマザーの転職事情 

日本のワーキングマザーの転職は厳しい。求人広告を出す約6万の企業へのアンケートで、「子育て中のママ社員が活躍中」と答えた企業は5%である。また時短勤務を可能としているのはわずか1%(2022年5月リクナビネクスト調べより)。
求職者が子育てなどを理由に一度退職して、キャリアに「ブランク」が入れば、状況はさらに厳しくなる。ワーキングマザーが正社員で働き続けるには、出産時の会社に居続けるか、在職中に転職先を決めないと相当不利になる。

料理レシピ紹介を中心とした生活情報誌「オレンジページ」

だが生活情報誌「オレンジページ」の新編集長に決まった松田紀子さん(48)は、そんな定説から外れたキャリア選択を4年前にした。雑誌レタスクラブ編集長として数々の華々しい記録を打ち立てながら就任から3年、突然辞職したのだ。そして20年以上のキャリアを持つ編集業から異業種に転職。スタートアップの立ち上げにジョインした。ところがその大胆な決断から半年後、世の中はコロナで大きく暗転した。家事全般頼りにしていた同居する松田さんの母親は実家に帰郷してしまった。新しい業界で新しいことにチャレンジする気まんまんだった松田さんは当時をこう振り返る。
※以下、松田さんのコメントです。