維新ぎらいより、立憲ぎらい⁉ 参院選「無風」は野党の責任ちゃうんかい! 大石あきこ×鮫島浩

『維新ぎらい』『朝日新聞政治部』W刊行記念(1)

参院選の公示が目前にせまった今、話題の二人の対談が実現した。
岸田首相を「資本家の犬」と呼んで物議をかもした、れいわ新選組の大石あきこ氏。
朝日新聞政治部』で政治取材の裏側と朝日新聞の崩壊を書いた、鮫島浩氏。大石氏の『維新ぎらい』も発売されたばかりとあって、お互いの著書の話から対談はスタートしたが、気付けば「立憲ぎらい」の話になって……。
(この対談の動画を「鮫島タイムス」で特別公開中)

立憲民主党が嫌われる理由と朝日新聞が嫌われる理由は似ている

鮫島 大石さんの『維新ぎらい』、とっても面白かったですよ。08年当時、大阪府職員として、橋下徹知事に噛みついて、それから大阪府庁や大阪市庁に君臨した維新の首長と戦い続けてこられた。同時に、声を上げて暴れまわる大石さんに冷ややかな視線を送る府庁の組織とも戦っていて、これはウソと謀略が渦巻く永田町で活躍できる政治家としての根幹が備わっているなと思いましたね。期待しています。

大石あきこ氏と鮫島浩氏 撮影:濱埼慎治

大石 鮫島さんの『朝日新聞政治部』も面白く読ませていただきました。恐縮ですが、自分の組織内での闘いと重なると感じました。最後の「終わりのはじまり」の章に、朝日新聞の記者として自社をツイッターで批判したことが書かれていて興味深かったです。記者はジャーナリストですから、自分の独自の言論を守ることは大事ですね。一方、私は地方公務員でしたので、自分の名前を出して府庁を批判することは守秘義務違反とされ、できませんでした。だから少しうらやましくもあり。

鮫島 とはいえ、2000人以上いる朝日新聞の記者の中で実名で発信しているのは1割にも満たないと思います。ほとんどの記者はジャーナリストの前に会社員。朝日新聞もメディアと言えど、実質的には官僚組織ですよ。しかも、上層部からの圧力だけじゃない。けっこう横の同僚たちからの冷ややかな視線もあるんです。「あいつ、勝手なことしやがって」と。

大石 よくわかります。共感している社員もたくさんいるでしょうけどね。

鮫島 それに比べて、れいわ新選組はみんな現場で戦って永田町に上ってきた人ばかり。大石さんもそうだし、代表の山本太郎さんもこれまで戦ってきた方です。政治的な発言をして芸能界でいじめられ、国会でも弾圧されてきた。私も最初に参議院議員に当選したばかりの山本太郎さんを政治記者として観たときは、危なっかしくて大丈夫かと思ったものです。ところが、れいわ新選組を立ち上げたときの山本さんは、見違えるほど洗練された政治家になっていた。組織人には絶対にない凄味を感じました。

れいわ新選組・山本太郎氏 Photo by GettyImages

大石 政治家は、自分の主張を堂々と発信するべく、選ばれて国会に送り出されていると、国民としては期待したいじゃないですか。でも、多くの政治家の仕草を見ていて、政治家も「組織人」やなあと、つくづく思います。特に立憲民主党の候補者とかね(笑)。組織のほう見て日報ツイートしとるだけやろ、みたいなおもろないツイートばっかりの人とか。こんな人たちが政治家やるくらいなら、私がやったほうがまだおもろいんちゃうかと思ったのも、政治家を志した理由の一つです。

 

鮫島 小選挙区制が影響しているんでしょうね。中選挙区時代の政治家は、党への忠誠心はさほど強くありませんでした。自分の責任で発言して、無所属で出馬して選挙で勝ち上がってから、追加公認を受ける人もたくさんいましたから。ところが、小選挙区制だと党の公認を受けないと復活当選もありませんから、ほとんど勝ち上がれなくなった。だから政治家はサラリーマン化してしまったのです。それと同時に、政治記者もサラリーマン化しましたね。立憲民主党と朝日新聞が嫌われる理由はよく似ています。本来は両方とも大衆のほうを向かなきゃいけないのに、「エリートの集まりが偉そうなこと言ってる」と思われて、説得力がまったくないのです。

関連記事